以前から気になっていたGRⅢx用のテレコンバージョンレンズ GT-2を購入してみました。
今回はGT-2を付けたGRⅢx HDFでお出かけついでに撮影した写真を紹介しながら使用した感想等を書いてみたいと思います。
GRⅢx HDFについてはこちらもご参考ください
テレコンバージョンレンズ GT-2とは
まずテレコンバージョンレンズ GT-2とはGRⅢx・GRⅢX HDF専用のテレコンバージョンレンズとなります。
公式からラインナップされているGRⅢx用のアクセサリーの1つであり、GRⅢには使用することができません(手持ちのGRⅢに試しに付けようと試みたけど、そもそもアダプターが取り付けできませんでした。)
テレコンの効果は1.5倍となり、フロントコンバージョンなので露出倍率は無く開放F値2.8のままシャッターを切れるのが嬉しいですね。
GRⅢxに取り付けるにはレンズアダプターGA-2が必要になります。これが地味に高いんですよね。どっちみちGT-2を購入したら必要な物ですので、セット売りでお安くなりませんかねRICOHさん。
GT-2とGA-2を詳しく見てみる
GT-2本体にはレンズリアキャップとフロントキャップが付いています。3郡5枚のレンズ構成からなるGT-2の第一面は大きな凸レンズになっています。もう交換レンズといっても過言では無いぐらいしっかりした作りです。 鏡筒後ろ側にはネジが切られており、GA-2とはねじ込み式の脱着になります。テレコンの外側は62mmで同径のフィルター等が取り付けできます。GA-2は言うならば筒ですね、少々高価な筒です。脱着用のレバーが付いており、不意に外れたりはしない構造になっています。脱着は「スッ、カチャッ!」て感じで気持ち良くはまります。取り付け後は少々遊びがありますが、これぐらいは許容範囲かなと。筒とか失礼な事を書きましたが、ちゃんと電子接点があります。GRⅢでフィルターワークをする時はこのGA-2単体でも使用でき、その場合はこの電子接点は通電していません。先程のGT-2のネジ部分を見てもらえれば分かりますがネジ下の部分が長くなっており、GA-2にねじ込むとその部分がGA-2の内側の爪を押してテレコンを装着している事を認識します。GA-2にGT-2を取り付けるとこんな感じです。ちなみにGA-2・GT-2の単体重量はというと。。。
以上の様になっており、合わせて218gになります。GT-2がガラスの塊なのでズッシリ感がありますね。GRⅢに取り付けるとこんな感じです。見た目が少々頭でっかちになっていますが、個人的には嫌いではないです。かなりフロントヘビーなので片手持ちはちょっと辛いかもしれません。
GRⅢの最大の魅力であるポケットに入るサイズ感は皆無ですが、見た目に出来るカメラのオーラを感じるのは私だけでしょうか。本体に取り付けた重量は484gとなり、もはやGRの重量ではないですね。ちなみに巷で大人気のFUJIのX100Ⅵが本体重量471なのでそれより少し重いぐらいです。
画角の変化と写りの違いを見てみる
次はGT-2による画角の変化と写りの違いを見ていきます。GRⅢxにテレコンバージョンレンズGT-2を取り付ける事によって画角が1.5倍になるので
- GRⅢx+GT-2 40mm×1.5=60mm
になると勘違いしそうですが、実はGT-2を装着するとGRⅢxは自動的に35mm換算で50mm相当にクロップされます。
なのでGRⅢxにGT-2を装着すると『50mm×1.5=75mm』となり、ここからさらに換算71mm相当にクロップすることで『71mm×1.5=107mm』相当の画角で撮影する事ができます。
50mmに自動的にクロップされるのはテレコンの性能上の判断というか仕様なのでしょうが、多少画質が落ちても良いのでノンクロップの60mmで撮影できるようになりませんかねRICOHさん。
自動的に50mmにクロップされるので解像度にも変化があります。GT-2を装着した時の解像度と画角は以下になります。
- 換算画角 75mm 4800×3200(画面表示50mm[TRLE])
- 換算画角 107mm 3360×2240(画面表示71mm[TRLE])
ちなみにGRⅢx単体のクロップ画角と解像度は以下になります。
- 換算画角 40mm 6000×4000
- 換算画角 50mm 4800×3200
- 換算画角 71mm 3360×2240
GRⅢx単体で換算71mmにクロップした場合の解像度とGT-2を装着した時の換算画角75mmの解像度が同じ3360×2240=7.5Mになっていますね。
これだけ見るとGRⅢx単体でも71mmにクロップできるし、解像度をフルに使え切れないんじゃあまり有用じゃないのでは。。。と考えてしまいますよね。
と言う事で続いては実際の写りの違いを見ていきます。
画角の変化を実写で見てみる
まずはGRⅢx単体クロップでの画角の変化です。
あいにく曇天での撮影になりましたが画角の変化の違いは分かっていただけるかなと。
続いてはGRⅢxにGT-2を装着した画像です、HDFはOFFにしています。
同じく曇天での画像ですがGRⅢ単体でのクロップです。
続いてGRⅢxHDF+GT2での画像です、HDFはOFFにしています。
細部を見比べてみる
続いては先程の写真を等倍で比較してみます。
画角比較の写真の赤枠の部分を各々等倍にしてみてみます。
大体同じ画角になるGRⅢx単体での71mmクロップとGT-2と装着した換算75mmでは、等倍での比較で解像度なりの違いがあるのがよく分かると思います。
またGRⅢx単体での71mmとGT-2を装着した107mmでは3360×2240=7.5Mと同じ解像度ですが、GT-2を装着した107mmの方が屋根の部分やアンテナが良く解像しているように見えます。GT-2の光学性能の高さが良く分かりますね。
作例
続いては、お出かけついで撮ったスナップ写真でGT-2の使い勝手を説明していきたいと思います。
タイミング良くヒメジョンにとまったベニシジミをマクロモードで撮影してみました。絞り開放でのボケとHDFの効果が相まってイメージ通りの優しい雰囲気に撮れました。
こちらも同じくマクロモード絞り開放でHDFをONにしてアナベルを撮影してみました。マクロモードでのHDFとGT-2は相性が良いと感じます。
続いてはオープンしたばかりの須磨シーワールドのイルカショーを少し絞っての撮影です。個人的にはF4~F5.6位がスィートスポットかなと思いました。
同じくイルカショーでの一枚です。GT-2を装着すると換算107mmでの画角が確保出来るので、こういった撮影もできるのは有用だなと感じました。
ほんの少しだけ湾曲収差があるような気もしますが、殆ど気にならない程度だと思います。
気がつけばもう向日葵が咲く時期ですね、2枚ともHDFはOFFにしてキリッとした描写です。GT-2を付けて75mmと107mmを使い分けて撮るのは撮影体験的に非常に楽しかったです。
今回撮影して感じたのは107mmとマクロモードの組み合わせの秀逸さですね。
換算75mmなので圧縮効果はそこまで期待できませんが、GRⅢx単体でのクロップ撮影と違うと感じるのはズシリとレンズの重みを感じるGT-2の佇まいもあると思います。
フル解像度で撮れないのはどうなの?と初めは感じていたのですが、75mmも107mmもPCのモニター上で見る限りは十二分で当初の不安は杞憂に終わりました。
こちらはHDFをONにしています。足元のシロツメグサも少しHDFの効果で拡散しており、カッチリし過ぎずに個人的には好みの描写です。
GT-2とは関係は無いのですが、最近よく思うのはHDFの効果の強弱をカメラ側で変更できたらもっと楽しいのになぁと。
GRⅢxはスナップ写真や家族の日常の写真を撮るのに重宝しているのですが、GT-2を装着することで積極的に風景写真を撮影したくなります。
感想・まとめ
今回はGRⅢx専用のテレコンバージョンレンズであるGT-2を購入して1ヶ月程使用してみた感想を書いてみました。
結果として非常に満足のいくテレコンバージョンレンズで、もっと早く購入しておけば良かったなと思うぐらいGRⅢx使いにとって有用なアクセサリーだと思います。
GRⅢxをメインカメラで撮影されている方は購入されても後悔は少ない、というかGRⅢxでの撮影のバリエーションが新たに増えて楽しいと思います。
クロップとは違った実焦点距離が伸びることによって起こる被写体深度の浅さなども、撮影していて普段のGRⅢxとは違った楽しみがあります。
特にマクロモードとの相性は抜群でHDF効果のON/OFFの掛け合わせも考えると、楽しみ方はまだまだ沢山あると感じました。
GT-2の出来がこれだけ良いとGRⅢ専用のワイドコンバージョンレンズ GW-4も気になりますよね。。。