今回はOsmo Pocket3のファームウェアアップデートで追加された『中望遠モード』と『ブリージング補正』を試してみたので書いてみたいと思います。
ファームウェア V01.06.0804 内容
この記事を書いている2025年3月2日時点での最新ファームウェアであるV01.06.0804の内容をおさらいしてみると
- 中望遠モードの追加
- ブリージング補正機能の追加
- WebcamモードにD-Log(10bit)を追加
- DJI Mimoアプリでファイルのバックグラウンドダウンロードを追加
- マイナーな不具合を修正
となっており、さらっと2個ほど神モードが追加されたファームウェアになっています。
今回はこの中の『中望遠モード』と『ブリージング補正機能』について詳しく見ていきます。
ブリージング補正機能
まずはブリージング補正機能について見ていきましょう。
そもそもブリージングとは、主にレンズのフォーカス(ピント)を調整する際に、画角が意図せず変動してしまう現象を指します。
原因としてはレンズの光学設計によるもので、特にフォーカスレンズの移動によって焦点距離がわずかに変化するために発生します。
静止画をとる時はそこまで気にならない現象ですが、こと動画を撮るとなるとシチュエーションによってはかなり気になる現象です。
対策としては、もともとブリージングが少ないレンズを使うかソフト側で補正するしかありません。
ソニーのミラーレスカメラ等はいち早くブリージング補正機能を搭載したカメラが出ていましたが、今回DJIもPocket3にその機能を追加してくれました。いやぁーありがたいです。
というのも、Pocket3は今市場に出ているカメラの中で究極のVlogカメラと言っても過言ではないですし、これだけでそこそこの動画撮影は撮れてしまうぐらい使い勝手の良いカメラだと思います。
ただ1つ弱点があって、それがフォーカスブリージングが割と大きなことです。
ブリージング補正を試してみる
まず『ブリージング補正機能』の使い方ですが画面の右端をスワイプして映像の設定画面からブリージング補正をタップしてONにするだけです。
写真はPROモードですが普通のモードでも同じ使い方になります。
さっそく家で簡単にテストしてみたものがこちらです。
今回のPocket3のファームウェアアップデートで追加されたブリーンジング補正が良い。惜しみないアップデートと速さは流石だわ pic.twitter.com/tiPTbaFIKm
— Tatu gate (@Kobe_Puilog) 2025年2月21日
動画を見てもらえればわかるように『ブリージング補正機能』をONにすると画角の変化がほぼ無くなっているのがわかると思います。
ただし注意があって『ブリージング補正機能』を適応すると画角が10%ほどクロップされます。
画面の両端を見てもらえればわかるように少し画角が狭くなっています。個人的にはこの程度の画角の変化なら常時『ブリージング機能』をONでも良いかなと思っています。
中望遠モードとは
続いては『中望遠モード』ですが、簡単に書くと画質劣化の極めてすくないテレコンモードになり、適応することでPocket3の画角が2倍の40mm相当になります。
しかも4Kの高解像度を保ったまま撮影できるとか、こちらもまたPocket3の足らないところを突いてきたというか、穴を埋めてきたというか。DJIさん流石だわ。
ただ幾つか使用上の注意点がありますので以下詳しく見ていきます。
中望遠モードを試してみる
では『中望遠モード』の使い方ですが、まず注意点として『中望遠モード』が
使えるカラーはノーマルカラーのみとなっています。
『中望遠モード』を使いたい時はまずはカラーをノーマルカラーにして
画面の中央下に現れる「」をタップすると『中望遠モード』がONになります。
では実際にどの程度画角に変化があるのか見てみましょう。
こちらはノーマルカラーの普通の画角で、35mm換算で約20mm程度ですね。
そしてこちらが『中望遠モード』をONにした約40mmの画角になります。
動画からの切り出し画像でもうひとつ比較、こちらが普通の画角約20mm。
そしてこれが『望遠モード』ONの約40mm画角です。これだけ画角が違うと撮れる映像に幅が出来て良いですね。
デジタルズームと比較してみる
Pocket3にはもともとデジタルズーム機能が有り、使うことで2倍のズームが可能です。
そこで今度はデジタルズームの2倍(約40mm)と『中望遠モード』の約40mmの解像度を比較してみました。
こちらがデジタルズームの2倍の映像からの切り出し。
そしてこちらが『中望遠モード』の映像からの切り出し。
一見すると差が無いように見えますが、細部を比較してみると。
明らかに『中望遠モード』の方が細部まで解像していますね。
Ulanziのテレコンレンズと比較してみる
実は今回のファームウェアアップデートより前の事になりますが、Ulanziから出ているPocket3用のテレコンバージョンレンズを購入していました。
レビューを書こうと思って色々と試し撮りをしていたのですが、余りにも性能が低くて放置してました。
Ulanzi製のOsmo Pocket3望遠レンズが届いたからテスト撮影してきたけど、これは不良品なのかこういう製品なのか pic.twitter.com/YrVWTcBYRf
— Tatu gate (@Kobe_Puilog) 2024年12月8日
私の購入したのは初期の方なのですが今は少し改善してるとかしてないとか。。。。
糸巻き収差はまだ許せるのですが日中屋外で使用すると全体的にフレア掛かって大きなゴーストもでます。
屋内ならまだ使えるので『望遠モード』と比べてみました。
いちおう仕様上は2倍の40mmとなっているのですが、明らかに画角が広いですね。
Ulanzi+『望遠モード』
と、ここで気付いたのですがUlanziのテレコンバージョンレンズを付けたまま『望遠モード』にしたらどうなるんだろ?てことで試してみました。
おぉ、これはなかなか面白い。40mm×2=80mmとまではいかないまでも十分と望遠域を伸ばせてますね。画角が狭くなっていることで糸巻き収差も目立たなくなっています。
Pocket3単体の『望遠モード』と比べてみてどうでしょうか。
画質的にも悪くなく、屋内で物撮りなどで使用するには使えるんじゃないかなと。ちなみに屋外と使うとこんな感じです。
無限遠が出ないのか遠景にピントが合いませんね、残念。屋外でも近景ならまだ使えるかもしれませんが余りオススメはしません。
ちなみにテレコンバージョンレンズ単体の使用だとこんな感じです。
これは不良品のレベルだと思うのですが、メーカーに動画を送って見てもらってもこんなものですとの返答でした。
こんにちは、
明るい光にさらされると、まぶしさや光漏れが少しあると、製品の同僚から回答を得ました。それは正常です。 よろしくお願いします、Ulanzi
私の物がたまたま不良品で正常な物の結果が違うならまだしも、メーカーの回答を見るに間違っても屋外でテレコンバージョンレンズ単体で使うのは止めたほうが良いと思います。
『ブリージング補正・望遠モード』テスト動画
簡単ですがテスト動画を作ってみました。ほんとはナレーションを入れて作るつもりだたのですが、また時間ができたら。。。
感想・まとめ
今回はOsmo Pocket3のファームウェアアップデートで追加された『中望遠モード』と『ブリージング補正』を試した事を書いてみました。
今回のファームウェアアップデートの内容は、Pocket3ユーザー中でも待ってた人が多い『ブリージング補正』とPocket3の死角を無くす『望遠モード』の追加と、さすがDJIと言わざるを得ない内容でした。
ただ1つ要望を上げるのなら、『望遠モード』のカラー設定をノーマルカラー以外でも使えるようにしてもらえれば尚良しだと思うので何卒DJIさんよろしくお願いします!
Pocket3は発売から1年以上経過していますが、このような機能追加があるのはユーザーとしも嬉しいものですね。
四隅の解像は少し悪いですが画角はDJI純正の広角レンズより広いです。