
組み立てキットを購入して届いたのが2年程前だったでしょうか、それから私の部屋で趣味の作り物やDIYを支えてくれた『PRUSA MK4』。
決してベッドスリンガーとしての完成度に不満があったわけではないのですが、昨今3DプリンティングのトレンドがCoreXYへとシフトする中、Prusaが提示した答えである『CORE ONE』へ、相棒である『PRUSA MK4』をアップグレードしてみました。
PRUSA CORE ONEとは
長年にわたりベッドスリンガー型の3Dプリンターを作ってきたPRUSAが、満を持して(満を持すぎて期を逃がした感は多少ある)開発したCoreXYタイプの3Dプリンターです。
詳しくは過去記事を参照ください。そしてPRUSAのプリンターの特徴といえるのが既存のプリンターのアップグレードです。
MK3→MK3s・MK3S→MK4へアップグレードできるようにコンバージョンキットが用意されており、新品を一から買い直すよりかなりお安くなるのでユーザーは大変有り難いです。


私もMK4を購入後MK4Sへアップグレードをしてます。
そして『CORE ONE』が発売されたと同時に『MK4S』→『CORE ONE』のコンバージョンキットの発売発表もされており、既存のユーザーの事をちゃんと考えてくれるPrusa社のブレないポリシーに改めて感動しました。
ということで上の記事内で書いていますが4月頃にMK4s→Prusa CORE One Conversion kitを発注をして、7月終わり頃に無事届きました。
そして何やかんやでそのまま3ヶ月程放置してしまい(放置し過ぎや)10月終わり頃にようやく重い腰をあげて組み始めることにしました。
Conversion kitで『Prusa MK4S』→『Core One』にアップグレード開始

届いたConversion kitですが思ってたよりデカかかったです。なので私の2畳の小部屋では作業ができそうにないので子供の部屋を間借りすることにしました。
狭い部屋は落ち着くので個人的に気に入っているのですが、いかんせん物理的に無理な作業が色々とあったりします。

私「ちょっとの間部屋貸して」
子供兄「ええよ」
っと思ったより軽く了承を得たのでさっそく作業に掛かっていきます。
開梱して内容物を確かめる

まずは届いたConversion kitを開梱して内容物を確認しましょう。箱を開けると何時ものハリボーが見えますね。






箱を開けると種類ごとに分けられた小箱がたくさん入っていて、これは中々のボリュームです。

大小合わせて8個の小箱が入っていまいした。ちなみにこのConversion kitは24キロ弱あるので腰が悪い人はご注意を。
前準備として『MK4s』を解体する
今回の作業はベッドスリンガー型からCoreXY型へのアップグレードなので、いままでと違って本体からの作り直しになります。
なので既存のプリンターから使える部品を外していく作業から初めていきます、実質新しい体への移植作業 みたいな感じですね。

ということでオンライで手順をみながら必要になる部品を外していきます。

デリケートな部分もあるのでそこは慎重に作業してなんとか解体作業は終了。

結局必要になったのは写真の部品だけです、余ったフレームやらでもう一台プリンターを組むことができるKitが海外で発売されていたような。。。まぁ気が向いたら考えてみます。

作業内容は難しいところは無かったのですが、ボードについているサーマルパッドを外すのが意外と面倒でした。なかなか綺麗に取れないのこれ。
ベースの組み立て~背面の組み立て


次はいよいよ『Core One』の組み立て作業にかかります。組み立て作業に掛かる前にボルト類と工具の確認をしておきます。
ボルト・ネジ類は袋に小分けしてくれているのですが、いちいち袋から取り出すのが手間なのでできれば小分けケースに移して管理するほうが作業性は上がると思います。
いや3Dプリンターで作れよという声が聞こえてきそうですが。。。


工具類も付属のものでも作業できますが、3Dプリンターを趣味とするものとしてはプラス・マイナスドライバーやヘキサゴンレンチ、ニッパー・ラジオペンチぐらいは揃えておいても損は無いと思います。

ということであっという間にベースの組み立ては完成。

オンラインの手順をみればそこまで難しい作業は無いと思います。


背面部の組み立てに必要な部品を確認します。



今回からxBuddyに拡張ボードがついています。

背面部分はデリケートな部品が多いので慎重に作業しましょう。電源の配線類の間違いやコネクター類の差し間違いにご注意を。

先程のベース部分と合体すると、ちょっとずつ全体像が見えてきましたね。
ヒートベッドアセンブリ~CoreXYアセンブリの組み立て

ここは重要なベアリングの組付け作業があるので丁寧にいきます、いや他は雑にやってる無わけではないですよ、多分。

ここでミスをすると後々がやり直すのが手間なので手順をよくみて作業します。

同じくヒートベッドも重要な部品なので作業手順通りに組み付けます。

こう見ると本体のわりにベッドが小さいですよね。
続いてCoreXYの組み立てに入ります。ここは『Core One』の心臓部なので失敗はゆるされない所でもあります。

特にモーターへのプーリーの取り付けはせぎってある平らな部分をセットボルトで締め付けるようにしないと、後々のキャリブレーションでエラーが出るのでご注意を。

リニアレールは信頼のTHK製でした。

自分で組み立てるとCoreXYの構造がよく理解できるのが良いところですね。


いよいよ全貌が見えてきて、ここまでくれば折り返し地点でしょうか。
ネクストルーダー~電子部品と外装~ドアの組み立て
残りはネクストルーダーの組付けと外装の組み立てです。

もうこのへんから「早く部屋を明け渡せ」と子供に急かされ初めたので、工程写真がほとんど撮れていません。

このスイングアームの組み立てに少し手間取りました。

きつすぎず、余分を作りすぎずに良い塩梅で長さを決めます。

ここも中途半端にするとあとあと面倒なので丁寧に作業します。CoreXYはメンテナンスがオープンタイプに比べてやり辛いので、できるだけ戻り作業を減らしたいです。

天面のフレームを組み立てて本体に取り付けます。

うん、なかなか格好良いではないか。こういった内部構造の良さは組み立てをしないとわからないですよね。

サイドパネルを取り付けていきます。

個人的にイマイチだと思うのがこのサイドパネル等を取り付けるのに使用するナイロンリベットです。

これが使いやすいようで一度外すと付けにくいし、しかも小さいので紛失しやすい。
なにか他の方法が無かったのかな?

xLCDを取り付けて全面ドアの取り付けをします。

後で分かったですが、このドアが静電気で埃がよく付いてウザいです。

同じくこの天面のパネルも埃がよく付きます。

あとこのドアシールが効いてるのかよくわからないのでちょっと不安になりました。あくまでマグネットの力でドアを固定しているので、そこまでシールを抑える力がありません。
本体完成~ベルト調整~キャリブレーション

と文句を言っている間に本体が完成しました。空いた時間でコツコツやったので日数は結構かかりました。通しでやったとしてもMK4sのバラシから始めれば一日じゃ厳しいかもしれません。
さっそく電源をいれてキャリブレーションを行いたいですが、まずはベルトの調整を行います。
詳しくはここを参考に調整をすると良いと思いますが、ここを丁寧にしないと後のキャリブレーションやHOME位置に戻らないなどのトラブルが起こるので注意です。

ベルト調整の手順にもありますが、まず前提としてガントリーの左右のねじれを完全になくした状態からスタートします。

イメージ的には上の写真にあるような感じです。この状態をキープしつつベルトのテンションを調整します。
上下二本のベルトのテンションの差は8Hz以内なのでこの時点でそれ以上の差がある時は大幅な調整が必要になってきます。
調整に使うベルトチューナーはPrusa公式のアプリは使い難かったので、Spectroidというアプリを使ってみました。

最初はとっつきにくいですアプリですが、個人的にまだこちらの方が合わせやすいです。

無事にベルトの調整が終わればようやく電源を入れて各部キャリブレーションをしていきます。
と、その前に最新のファームウェアをダウンロードして入れておくのを忘れずに。

ネットワークのセットアップは特に何もせずに以前の設定を引き継いでくれていまして、手間が省けてよかったです。

ドアセンサー・ロードセル・ギアボックスアライアント・フィラメントセンサーをキャリブレーションをしてXYZ各部モーターに以上がなければセットアップは完了です。
テストプリントをしてみる

ということで早速テストプリントをしてみました。


綺麗に印刷されていて、プリントしたものを見た感じは問題なさそうですね。


オーバーハングも綺麗に印刷がされています。


もともと『MK4s』の時点であまり不満のない性能だったので『Core One』になって劇的に綺麗になったとかは無いですね。

じゃ何もかわってないかというと、もちろんそんな事はないです。まずプリント中の騒音が静かになっています。これは四方が囲まれたCoreXY型なので当然といえば当然ですね。

あとは内部の温度をある程度管理してくれるのでプリントの質が安定しているように感じます。


そしてなにより嬉しいのが部屋がスッキリしたことです。以前はMK4sを難燃性のエンクロージャーにいれいたのでそれなりにスペースを取ったいたのが

エンクロージャーの上が物置になっておる。。。。

かなりすっきりしてデスクも使いやすくなりました。全体的なサイズ感よりもベッドの前後の動きが無いのでスペースの確保が楽ですね。


レンズの防湿庫とほぼ平面サイズが同じなので部屋もスッキリした感じになりました。
追加で購入したHEPAフィルターを取り付けみる

今回はConversionKitと一緒にオプションのHEPAフィルターも注文していたので早速取り付けてみます。

フィルター本体はこんな感じです、結構大きなファンが付いています。


組み立てはフィルターをカバーにいれてファンを数本のネジで固定するだけです。


ファンのサイズに比例して平面のサイズは120cm角になるのでそれなりに大きいです。

奥行きも80cmほどあるので取り付ける場合は設置場所を確認したほうが良いかと。

取り付けて印刷した感想ですが、なんと後方排気からの匂いがまったく無くなりました。HEPAフィルター凄いなぁ、狭小の部屋で印刷しているものとしてはこれは有り難いですね。
感想・まとめ
今回は『Prusa MK4S』をConversionKitを使って『CORE ONE』にアップグレードした話を書いてみました。
感想としてはプリンターの質感も高く、印刷時間と品質もPrusaクオリティーで素晴らしいと思います。

見た目もスタイリッシュでオープン型のMK4Sよりもコンパクトに収まるのも嬉しいところです。
組み立て自体も公式の丁寧な解説があるので困ることはなく、もともと作るのが好きなので楽しく作業できました。
じゃぁ万人にオススメできるのかと言えば。。。。やっぱり値段がネックになりますね。
私が購入した時はConversionKitが449ドル+送料が116ドルで合計565ドルしました。これを今のレートで計算すると約89,000円になります。
対して『Core One』の組み立てキットが現在アマゾンで180,000円で販売されています。
組み立て済みのものは225,00円で販売中。
これを見ると半額以下で最新の機種にできるなら良いんじゃない、と思えてしまうんですけどそもそもの値段がライバルメーカーよりお高いです。
私も会社で使っている『Bambu Lab』のCoreXY型エントリー機最新機種である『P2S』は公式での販売価格が109,000円となっており、『Core One』の組み立てキットと比べても約70,000円ほど安いです。組み立て済みに至っては約115,000円もお安い。
ここまでの値段差ができるとなかなか『Prusa』を選ぶユーザーが少ないのではと思います。
『Prusa』はせめて送料だけでも抑えることができれば、新規の3Dユーザーの購入候補に上がるとおもうのですが、どうでしょうか。
私はというと先に書いたようにBambu LabのP1Sも使用しており、大変よく出来た3Dプリンターだと思うのですが、やはり『Prusa』が好きです。
それは『Prusa』という会社の信頼性もあり、オープンソースによる『自由と拡張性』という面もあり、なにより中長期的に見た時の『安心感』であり価格の高さは『将来のアップグレード代』と考えているからかもしれません。
とはいえ送料がお安くなるのは嬉しいのでアジア圏内で生産拠点を作ってくれないかなぁと妄想しております。
Core One+へのアップグレードとBuddy3Dカメラも購入してみたので、また時間が出来たら追記したいと思います。