
旅行先での絶景や、バイク・自転車での疾走感。その場の空気感を丸ごと残せる360°カメラは、ガジェット好きなら一度は「欲しい!」と憧れるアイテムですよね。
しかし、いざネットや家電量販店で物色してみると想像してたより本体価格が高かったりします。それに「編集が難しそう」「使いこなせる自信がない」.......。と二の足を踏んでしまって中々購入に至らない人も多いと思います。
今回はそんな「初めての360°カメラ選びに迷っている人」にオススメのコスパ最高360°カメラ『AKASO360』のレビューを書いてみたいと思います。
AKASOってどういうメーカー?

AKASOは2011年に米国ワシントン州のシアトルで設立され、GoProなどのハイエンド機が市場を独占していたアクションカメラ界の中で「高性能で誰もが手に取れる価格」という高いコストパフォーマンスで急成長したブランドです。
現在は製造拠点を中国に移し、アクションカメラだけでなくドライブレコーダーやナイトビジョンなど幅広く展開しているみたいですね。
AKASO360を詳しくみていく

そんなAKASOが作った360°カメラが、今回レビューする『AKASO360』になります。
360°カメラといえばInsta360のXシリーズや最近ではDJIもOSMO360なるカメラを発売しており、VLOGカメラ・アクションカメラの中でも人気の高いジャンルですが、冒頭書いたように最新の360°カメラは60,000円半ば~70,000円後半と中々手が出しにくい値段です。
そんな中この『AKASO360』はなんと、2万円台から手に入れることができます。そして性能面でも1/2インチ48MPセンサーを2個搭載しており、5.7Kの360°撮影が可能となかなか侮れないスペックになっているのも注目ポイントです。

主なスペックは上の表の通りになっています。個人的には静止画撮影でDNG(RAW撮影)を選べるのが興味深いと感じました。
あとは5.7K60fpsで撮影できないのが人によっては引っかかるポイントかもしれませんね。
AKASO360の外観を見てみる

現在発売中のパッケージは幾つかあるのですが、今回紹介するのは『AKASO360 Creator Combo』になります。さっそく開封して中身を見ていきましょう。

パッケージの中には小さな箱が2つと自撮り棒らしきものが1つ入っています。

小さな箱の中身は『AKASO360』本体に充電ケース、USBケーブルとバッテリーが3個も入っています。

『AKASO360』本体はこの黒いソフトケースの中に収まった状態で入っています。ネームが入っているタグがワンポイントのグリーンで可愛らしいですね。

いよいよご対面の『AKASO360』本体がこちら。360°カメラとしてはオーソドックスな縦型のボディスタイルで上部に凸型のレンズが付いています。

サイズは109.8mm×46.9mm×30.8mmとなっていて、実際手に持ったサイズ感はこんな感じでコンパクトです。

くるっと裏返すと2.29インチ(480×800ピクセル)のディスプレイが搭載されており、360°カメラなので表と同じく上部にレンズが付いています。
そしてディスプレイ下の長方形部分がRecボタンになっています。

側面は真ん中に電源ボタン、上部にマイクと下部にスピーカーが配置されています。
電源ボタンは長押しで電源のON/OFF、メイン画面で短く押すと動画の静止画の切り替えができ、メイン画面以外で短く押すとメニューに戻る機能があります。

反対側の側面は同じく上部にマイクと真ん中にUSB端子、その下にはバッテリー室にアクセスするためのロックスイッチがあります。ロックスイッチはスライド式なので安心ですね。

ちなみに上で紹介したソフトケースはサイドにUSBケーブル用の穴が空いており、ケースに入れたままでも充電&データの転送ができます。

サイドのUSB端子の位置とドンピシャなのでそのままUSBケーブルを挿せます。

本体上部には特に何もありません。上からみるとレンズの出っ張りがよく分かりますね。

本体下部は1/4インチネジのマウント穴が設けられています。クイックリリース等を直接付けることは出来ないようです。

記憶メディアはマイクロSDカード(512GBまで)でバッテリー室の中に挿入口があります。
本体に関しては安っぽさは全く無く、良い意味で裏切られました。正直言うと、実際に触るまではもうちょっとチープなのかなぁと想像していたのですが(すみません、失礼しました)、全然そんな事は無く非常にしっかりとした作りの製品で好印象です。


クリエーターコンボ版+SDカードセットのパッケージも用意されていて、クラス3のマイクロSDカードが付いてきます。

今回は64GBのカードを使用しました。

バッテリーは1350mAhとなっており、容量的に少し物足りない気がするかな。

ただ今回のAKASO360 Creator Comboにはバッテリーが3個付属しているので安心、数の力は偉大だ。で、しかも付属のチャージャーで3個同時に充電できてしまいます。


真ん中のボタンを押すと充電状態もわかる親切設計になっています。

付属の自撮り棒は質感が高く、棒経が丁度よいのか握った感じも良好です。

持ち手の部分はラバーを巻いているので滑り難く持った感触も良いです。


先端は滑り止めのローレット加工が施してあり1/4ネジがついています。反対側の端部にも同じくネジが切ってあります。

伸ばすとこんな感じで、230mmから1235mmまで伸びて結構長いです。

Creator Comboのセットでは無いですが、オプションとして専用のレンズキャップも用意されています。

シリコン製だと思わるキャップは被せ式になっています。

装着した状態はこんな感じ。脱着もスムーズで使い勝手は良さそうです。普段使いでさっと取り出して使うにはソフトケースよりも、こちらのレンズキャップの方が便利そうです。
操作方法とUIを見てみる
続いて操作方法とUIを見ていきます。幾らハードウェアの作りが良くてもソフトウェアの使い勝手が悪ければ魅力は半減するものですが、『AKASO360』の使い勝手はどうか、見ていきましょう。

まず電源をいれると言語の設定をします。格好つけてEnglishを選びたいですが、中学レベルの英語も怪しいので日本語を選んでおきました。

油っ気が全く無いカサカサのおっさんの手で申し訳ないですが、基本的な操作は上の画像のようになります。

メイン画面を上にスワイプすると解像度とFPSの設定画面になります。

下へスワイプするとクイックメニューになり各アイコンを選択すると画面の明るさや音量の設定等を行えます。

右へスワイプするとギャラリーに移り、撮った動画の再生や静止画の確認等を行えます。

左へスワイプすると撮影の詳細設定ができます。AUTOモードとManualモードの切り替えや露出補正、SSやISO感度の設定など細かく設定できます。

メイン画面では各アイコンをタップすることで前後レンズの切り替えや360°撮影とシングル撮影の切り替え、タイムラプスやDNG撮影の設定なども行えます。
ここまでの操作感の感想ですが、わかりやすいUIでアクションカメラやVLOGカメラを触った事がある人なら迷うことはまず無いと思います。
ただし操作によっては読み込み時間(ローディング)が掛かるのが、人によってはストレスに感じるかもしれません。
クイックメニュー・各詳細設定をみてみる

続いてメイン画面を下にスワイプした時に表示されるクイックメニューをみてみます。
上段左から順に
- スピーカーの音量調整
- 画面自動回転のON/OFF
- 画面ロック
- 画面の明るさ調整
- インジゲーターのON/OFF
- 詳細設定
となっています。この中にあるインジゲーターのON/OFFですが『AKASO360』には本体前後に同じ情報を表示するLEDステータスインジケーターが搭載されています。このクイックメニューにあるアイコンでON/OFFできるのですが、ONにした時の点灯の概要をまとめてみました。



基本的に点灯の色は青と赤なんですが点滅の速度によって色々と表示内容が違うようです。
次にクイックメニュー内にある詳細設定についてみていきます。

ネットワーク設定やカメラの細かい設定などを行う為のメニューになります。こちらの項目も表にまとめてみました。

この中にあるクイックキャプチャーですが、確かにシャッターボタンだけで起動録画開始ができるのは便利です。が、起動時に通常と同じく『AKASO』のロゴが表示されるのは「ん?」と思いました。
他社製のカメラではロゴなどの表示はなく即起動録画開始できるので、ここは少し残念ですね。
撮影モードを詳しく見てみる

メイン画面にある左下のアイコンをタップすると撮影モードの変更ができます。
動画モード

まず表示されるのが動画モードです。5.7Kまでの360°ビデオや2.8Kまでのシングルレンズビデオを撮影できます。
タイムラプスモード

最大5.7Kの360°タイプラプスビデオを録画できます。シングルでは2.8Kのタイムラプスビデオを撮影できます。
ループ録画モード

継続的に録画し、最新の録画データのみを保存します。どういった時に使うのか、私には思いつかなかったのですが、ドライブレコーダー的な使い方になるのかな。
写真モード

最大72MPの360°静止画を1枚撮影します。タイマーを設定することもできます。
DNG8モード

一回の撮影で最大18MPのRAW(DNG形式)360°静止画を8枚撮影して合成します。純正ソフトやアプリを使って編集も可能です。風景撮影に面白い機能ですね。
AEB撮影モード

最大18MPの静止画を色々な露出で撮影するモード。タイマーも使用できます。
インターバル撮影モード

設定した間隔で自動的に最大72MPの静止画を撮影してくれるモードです。定点観測などに使うと便利なのかな。
タイムフュージョンモード

このモードはまず360°静止画(72MP)を1枚撮影します。そして2秒後に自動的に360°静止画(72MP)を撮影します。そしてその2枚の静止画を合成するモードです。360°静止画を2枚合成するという、撮影のアイデア次第では中々面白いモードだと思います。
使ってみた感想
実際に数日家族とのVLOGカメラとして使ってみた感想は。。。。。「完全に侮っていました、すみません」です。
家族のVLOGカメラとして十分使える画質
上のショート動画は自撮り棒につけて撮り歩いたものを繋ぎ合わせて作ったものです。どうでしょうか、個人的には普段使いのVLOGカメラとしては必要十二分な画質だと思います。

上の画像は動画からの切り出しです。地元神戸では数年に一度の大雪の中で小一時間ほど撮影しましたが、さすが全天候防水仕様で全く問題無かったです。ただ完全防水では無いので自己責任でお願いしますね。


もちろん360°カメラならではの迫力あるアングルも楽しめるし、この価格(本体価格約2.9万円)でこれだけ撮れて遊べるならコスパ高いと思うなぁ。

そして意外に子供受けしたのが、動画内に撮影者である私(父親)が写っている三人称視点が楽しいようで、何時も撮っているVLOG動画よりも楽しそうに観てくれたのが嬉しかったです。
専用の編集ソフトも直感的で使いやすい

360°動画の編集は純正のアプリが用意されており、これがまた直感的で使いやすいので「360°カメラって編集が面倒?」という不安をお持ちの方も安心です。
ここから『AKASO360 Studio』がダウンロードできます。その他にも日本語マニュアルやスマートフォンアプリもダウンロードできます。

使い方は、まず編集したい画像をインポートします。そしてタイムライン上にキーフレームを打って好きな画角を選ぶだけです。

AIトラッキング機能を使えば自動で被写体を捉えたリフレームをしてくれるので非常に便利です。

その他にも色の編集もできたり。

手ぶれ補正の調整やステッチ(画像の継ぎ目)の調整も行えます。

編集後のエクスポートも比較的短時間で終わる(素材の長さや使用しているPCのスペック等で変わります)印象です。

エクスポートのフォーマットはMP4(H264・H265)の他にも、なんとProResの422HQでの書き出しもできます。

360°で撮影した静止画もこのソフトで好きな画角にリフレームできます。個人的にはDNG8モードで撮影した画像が綺麗な画で驚きました。写真は日の出を撮ったものですが8枚合成なのでダイナミックレンジが広く、風景撮影にも良いんじゃないかなと感じました。
AKASO360の残念な点
全体的にコストパフォーマンス高い360カメラである『AKASO360』ですが残念な点も幾つかあります。
動画ファイルが3個に分かれている
『AKASO360』は1つの360°動画に対して【前カメラのデータファイル】・【後ろカメラのデータファイル】・【前後合わせたploxyファイル】と3個のファイルを作成します。これがまた運用面で色々と不便です。

上の画像の赤枠で囲んでいるの3個のファイル合わせて1個360°動画データになり、アプリで編集する時も、この内の1つでも欠けていたエラーになってしまいます。
以前に使っていたOSMO360では1個のファイルにまとまっていたので、この『AKASO360』のファイル仕様にはちょっと戸惑いました。
管理面でもわかりにくくデメリットしかないので、ここはちょっと改善して欲しいところではあります。
そして輪をかけてデータ管理を複雑にしている要因が5分で分割されることです。1つの360°動画が3個のファイルに分割されて、さらに5分お気に分割されるのでデータ管理がカオスになります。
電池持ちが悪く1日撮るには複数必要

そもそもの電池容量が1,350mAhなので悪いというと語弊があるかもしれませんが、何も考えずに動画を撮っていると、残容量がみるみる減っていきます。
しかし狙った被写体を狙ったアングルで撮る普通のカメラと違って、全方位撮れる360カメラはアングルを気にせずに撮り続ける事が多いので、個人的に自然と長回しになる事が多いです。
複数所持して頻繁に交換すれば問題無いかも知れませんが、そもそもこのカメラがターゲットとする360°カメラのライト層にそれを強要するのも違うような気がします。
感想・まとめ
今回は『AKASO360』について書いてみました。正直に言うと実際に使ってみるまではそこまで期待をしていなかった(度々失礼しました)のですが、使ってみると驚きで「おいおい、これで2.9万ってコスパ良すぎだろ」って思わず声に出てしまいました。

360°カメラと言えばアクションスポーツやバイク等のアクティブなイメージがありますが、私の様な日常のVLOGを撮影する人にも便利だと今回改めて感じました。
特にこの『AKASO360』は十二分に使える画質で、お値段も手を出しやすい価格なので360°ビギナーの方に持って来いなカメラではないでしょうか。

あと純正ソフトでの動画編集が直感的で使いやすい所も360°カメラビギナーには嬉しいところですね。
まぁ細かい問題もありますが、実用的なスペックの良コスパ360°カメラなのは間違いないです。......んーでもやっぱり、ファイル問題だけはファームウェアのアップデートで何とかして欲しいかな。