高機能なスライサーソフトで使用している人も多いPrusaSlicer。少し前に2.6にバージョンアップされた気がしますが、新しい2.7.0アルファ版→ベータ版がリリースされました。
※11月末に正式版がリリースされました。
スライサーソフトってなに?
3Dプリンターを初めたばかりの方や、今から始めようとしている方は「そもそもスライサーソフトって何?」となっている人もいるかもしれませんので簡単に説明すると、『3DデータのSTLファイル等を3Dプリンター用のGコードに変換する為のソフト』です。
3Dモデルを層ごとにカットするという所からスライサーソフトという名前になっているようです。
そしてデータの変換だけでは無く、スライスの間隔・移動速度・フィラメントの温度調整・サポートの設定etc....等、プリントをするのに非常に重要なソフトウェアです。
いくら3Dプリンター本体が高機能でもスライサーソフトが駄目なら満足するプリント結果は得られません。
そして数あるスライサーソフトの中でも高機能で、初心者~上級者まで使いやすく人気のあるスライサーソフトがPrusaSlicerになります。もちろん無料で使用できます。
PrusaSlicerについてはこちらもご参考ください
PrusaSlicer2.7.0-beta1 新機能を見てみる
そんなPrusaSlicerですが新しく2.7.0ベータ版がリリースされたので、さっそく搭載された新機能や特徴を見ていきたいと思います。
SVGエンボスツール
今回の2.7.0の目玉機能がこのエンボスツールだと思います。画像形式の一種であるSVG(Scalable Vector Graphic)画像をモデルにエンボス(モデルに画像を浮き上がらせる)できるようになりました。
※画像出典 PRUSA RESEARCH
もちろんCADソフトを使わずスライサーソフト上で全て実行できます。
PrusaがXで紹介していたデモではエンボス機能を使ってQRコードを埋め込んだオブジェクトを作成していました。
これ凄い機能ですよね、アイデア次第で楽しそうな事ができそう。
バイナリGコードの採用
ASCII Gコードファイルをエンコード及び圧縮するためにバイナリGコードを導入するこことで、ファイルサイズが70%も削減されるようです。70%って凄いですよね。
※画像出典 PRUSA RESEARCH
ファイルサイズ削減による高速ネットワーク転送
このファイル削減とGコードストリーミングにより、現在転送によるプリント開始時間が36分かかっていたものが25秒で開始できるみたいです。
注意としてはストリーミングですのでプリント開始時はファイル全てをプリンター側に送信完了していません。プリントしながら残りのデータを送信しているようです。
※画像出典 PRUSA RESEARCH
カスタムGコードエディタ
そしてこれらのGコードをユーザーが編集できるように専用のダイアログが追加されました。
※画像出典 PRUSA RESEARCH
マクロ化されていて簡単な説明もあるので、いままで「Gコードの編集なんて無理!」って思っていた人達も簡単に編集できますね。
ユーザーインターフェースの改善
ユーザーインターフェースがより直感的に見やすく改善されたようです。今まででも扱い安いUIだったのですが、より良くなったのは素晴らしいですね。フォントサイズも変更可能なようです。
※ベータ版はアルファ版から更に改善されています。
※画像出典 PRUSA RESEARCH
感想・まとめ
今回のバージョンアップである2.7.0も新機能が満載でワクワクしますね。特にSVGエンボスツールはアイデア次第で色々と楽しめそうです。
アルファ版からベータ版になりいくつか修正と改善がされていますので、詳しくはGITHUBをご参考ください。
またPrusaSlicerはPRUSA RESEACHのスライサーソフトですが、他メーカーの3Dプリンターでも使用可能です。現在ほかのスライサーソフトソフトをご使用の方も一度試されては如何でしょうか。