前の記事でも書きましたが、先日PRUSA RESEARCHからいきなりのPrusa MK4の発表&発売がアナウンスされました。
いやーいきなりだっったので驚きました。最近はXLの開発と発送で忙しそうなのでMK4は随分と先になるのかなと思っていたのですが、どうやら同時に開発していたようですね。
今回はあたらしいMK4がどう変わったのか見ていきたいと思います。
前機種から新しくなった項目
ファーストレイヤーキャリブレーション(一層目の調整)が完全自動可
今までZ軸の微調整で行っていたファーストレイヤーキャリブレーションをロードセルセンサーを搭載することにより、ノズルの位置を微調整したりする手間がいらなくなったようです、これはXLに搭載されているものと同じ物のようです。
※ロードセルセンサーとは力(質量・トルク)を検出して電気信号に変換するセンサーのことで、電子はかりや流量計、測定器などに使われています。
MK3比で70%に短縮された印刷速度
最近のFDM式3Dプリンターの流行りである高速造形にも当然のように対応してきていて、MK4ではInput ShaperとPressure Advanceというテクノロジーを独自に実装することにより、Benchyのプリントを20分未満で印刷することができるようです。
界隈でよく耳にするKlipperでは無いですが同じ精度のようです、またKlipperでは無いので当然RaspberryPiなどは必要ないです。
※Klipperとは3Dプリンターにもともと備わっているボードより高性能なRaspberryPi等を制御に用いてより複雑な制御により高速印刷や高精度の印刷を可能にするファームウェアである。
さらに詳しく見てみるとInput Shaperとはプリントの共振を制御するテクノロジーのようで、新しいボードであるxBuddyボードに実装されている加速度計ポートから入力調整することによって、印刷中にでる共振を学習し影響を制御するようです。
ヘッドホンやイヤホンのノイズキャンセリングに似ていると例えて解説されています。
もう一つのテクノロジーであるPressure Advanceはフィラメントの流れを制御するようで、継ぎ目の押し出し不足などを削減し高品質な高速印刷を可能にしているようです。
ただ2つのテクノロジーはまだ開発段階のようで現在のファームでは利用できないようでうすね。将来的に高速印刷できるとして、今現在のMK4の印刷速度もどれぐらいなのか気になりますね。
新しい32bit xBuddyボード
8bitだった前機種から(Prusa miniは32bit)実装されるボードが32bitの新しいものになりました。新しい機能としては以下になります。
・デュアル電圧測定 ヒーター電圧測定
・2.8Aを超えるとホットエンドヒーターを切断する保護機能
・24Vでの総入力電流測定
・合計電流が15Aを超えるとヒーターとヒートベッドの電源を切断する安全機能
・停電からの復帰
・ホットエンド、ヒートブレイク、ヒートベッド、周囲温度の4つのサーミスタ
など、安全性が高そうなのが好印象ですね。あと実装されるポートとしては以下になります。
・ESP-01WiFiポート(WiFiモジュールはオプションのようです、日本は技適が。。)
・イーサネットポート
・サービスUSB-Cポート
・12Cポート
・加速度計ポート(開放は後々)
・MMU3ポート
・NExutruderポート
新しい押出機 NExutruder搭載
XLで初めてお披露目された新しい押出機のNExutruderですがMK4にも実装されるようです。ただしこちらは少し小型で軽量な仕様になっているようです、上に書いたようにここにロードセルセンサーが搭載されています。
構成はパンケーキステッピングモーターに遊星ギアを使った使用のようですが、あれ?XLのNExutruderで遊星ギア止めたんじゃなかったでしたっけ?
軽量化のために0から新しく設計された押出機で、クイック交換ノズルシステムになっています。
PTFEチューブを一切使わない設計でクイックリリースを用いたワンタッチでのノズルの交換が可能なようです、これは使い勝手良さそうですね。
私がPrusa miniで使用しているE3DのREVOシリーズもノズル交換が簡単なのですが、それと比べても更に交換が簡単になりそうです。
専用ノズルの使用になりますが、V6ノズルへの交換アダプターも用意されています。もちろんフィラメントセンサーも付いています。
アルミダイカストフレームとカラーLCDスクリーン
新しくフレームがアルミダイカスト製に変更されたようです。以前もアルミ製だったので、ダイカスト製への変更理由は生産性の向上とかその辺りの理由でしょうか。
モニターがモノクロからカラーLCDスクリーンになったのは嬉しいですね、Prusa miniも同じくカラーの2.8インチ液晶ですが見やすくて便利です。
タッチスクリーンでは多分無いと思います。
感想 まとめ
ざーと公式のHPをみながら纏めてみましたが、良いですね。。。PURUSA好きとしては欲しくなりました。
というか私偉そうなこと書いてますが3DプリンタはPRUSAしか触った事ありません。他のメーカの物を検討した事はあるのですが、調べれば調べるほどPRUSA買うのが一番賢いんじゃ無い?という結論になります。
まぁこれは何を求めるかによるので人それぞれだと思うのですが、3Dプリント生活(プリントの成果物をメインに考える)をトラブル少なく楽しむ、ならPRUSAは間違いなく候補の一番に上にあげても良いメーカーだと考えています。
そこで問題なのが今プレオーダー中のXLをどうすかです。PRUSAからメールでもうすぐ正式に予約出来るよーとメールが最近来ていて楽しみにしていたのですが、一足早く手元に届いた海外の方の動画をみると、分かってはいたけどデカイ!
今建築設計中の新居にて私に割り当てられた部屋は2畳の部屋。
2畳の狭い部屋に上の動画のサイズのXLを設置するのは分かってはいたけどあまりにも無謀なんですよね。。。
さらにPRUSAよるとXL予約者はMK4への予約変更が可能なようです、この場合は順番が予約の前の方にしてもらえるようです。これもうPRUSAもMK4に流れること想像してましたよね絶対。。。ただし一度予約変更すると元には戻せないのでご注意を。
あと既存のMK3S+ユーザーの方はアップグレードキットがいくつかあるようで、MKS3から→MK3.5・MK3.9・MK4とそれぞれアップグレードする箇所と値段が違います。詳しくはこちらを参照ください。
さらにMK3S+も値下げされるようで、こちらもまだまだ良い機種なのでそこまで高性能なものは要らないと考える人は良い選択肢かもしれませんね。ただ後々アップグレードするなら最初からMK4を購入した方がトータルで見るとお安く付くと思います。
上記のリンクを見てもらえれば割る通り、MK3S+からMK4のアップグレードは結構お高いです。
さてXLをどうするかMK4に変更するかこの週末にじっくり考えてみたいと思います。
海外の方達による開封レビュー動画がいくつか上がってきています※4/8更新
早くもMK4が手元に届いた海外ユーザーの方達が動画をYoutubeに上げてます。
こちらの動画では今機種から採用のロードセルによるファーストレイヤーキャリブレーションの様子がわかりますね。
まず中央と左端で計測後に9点ほどレベリングを行うようです。ノズルを直接当ててロードセルによる計測をしている様に見えますね。
同じ人の動画ですがこちらではMK3とのBenchyの印刷速度比較がされてます。
公式の動画では20分未満で印刷されてましたが、まだInput ShaperとPressure Advanceが実装されていないので、MK4の印刷結果は32分40秒でした。
MK3の結果は37分37秒だったようなので差はだいたい4分ですね。Input ShaperとPressure Advanceを使用しなくてもMK3より印刷速度は早くなっているようです。
こちらはJosef Prusa氏にMk4ついてインタビューしている動画です。