LUMIX S5ⅡとGH6をサイドバイサイドで比較してみたシリーズ3回目になります。今回はS5Ⅱと高画質設定にしたGH6を主に屋外での人物の動画撮影にて比較してみました。
※その1・その2の比較はこちらをどうぞ
今回の撮影機材と各設定
今回も前回同様に撮影構成はS5ⅡにS50mmF1.8、GH6にはLeica DG25mmF1.4を付けて、カメラを2台同時にプレートにとりつけて手持ちで撮影をしました。
撮影設定はS5ⅡはC4K4:2:2 10bitのLongGOPでAF-Sのフルエリア人物認識有りに設定。対するGH6はC4K4:2:2 10bitのProress422で同じくAF-Sのフルエリア人物認識有りに設定。今回GH6は全カットをダイナミックレンジブースト(以下DRB)をオンして撮影しています。
両カメラともV-logにて撮影後にLumix公式のRec709Lut当てて若干の明るさ調整をしています。
なぜGH6をこの設定にしたかと言うと、前回と前々回の比較でDRBを入れていない4K4:2:2のLonGOPの映像はやはりセンサーサイズなりの違いが見て取れたので(といってもGH6も十二分に綺麗ですが)今回は初めから高画質を目指し、DRBをオンにして撮影フォーマットもProress422にしました。
Proress422HQにしなかった理由は普段私が使っているのがHQではないProress422だからです。ビットレートが高くてなかなか日常を撮影するにはデータの取り回しがしんどいので、普段はProress422にして撮影することが多いです。
なので普段撮影する中での高画質ってことでProress422にしました、ご了承ください。
撮り比べた感想
こちらが撮り比べた動画になります。
上手いこと天気の良い、桜の時期に撮影できたのでお花見がてら楽しかったです。撮影協力してくれた息子たちありがとう。
色味の違いを見てみる
WBの設定を間違えるという比較動画を撮るのにやっては行けない事をやらかした前回・前々回ですが、今回は両機種オートホワイトバランスにしています。
ですが撮影した映像を見るとやはり若干の色味の違いがみてとれます。
まず前提としてレンズが違うので一概にカメラの色味だけとは言えません、あと両機種とも日中のV-logでの撮影でしたのでNDフィルターを付けています。
使用したNDフィルターはKenkoのVariableNDX2とNISIのTRUE COLOR ND VARIOで両方とも評価が高く色味の変化がほぼ無いといっても良い高品質なNDフィルターです。
その上で上の動画切り出しの画を見るとGH6の方が人肌が若干赤みというか、紫っぽく見えます。
こちらの桜のカットではあからさまに色が違いますね。GH6の方が大分と桜が紫っぽく映し出されてます。実際の桜の色で言えばS5Ⅱの方が近いと思いかな。
しかし他の桜のカットではここまでの色の違いがなかったので、AWBの精度の違いなのかなとも思ったりもしています。
ダイナミックレンジの差を見てみる
CineDのラボテストによるとS5Ⅱのダイナミックレンジは13.7STOP程、対するGH6のDRBをオンにした状態の数値は12.2STOPと計測結果が出ています。
実際撮影しての感想で言えば1STOPの差は感じませんでしたが、先程色味の比較で上げた桜のカットを見ると後方の建物がGH6は飛んでしまっていますがS5Ⅱはギリギリ粘っていますね。
DRBをオンにしてもやはり面積比4倍のフルフレームセンサーのS5Ⅱのほうがダイナミックレンジは広いようです。
解像感を見てみる
実は今回の比較するに当たって確認したかった事はここです。
S5Ⅱを日中にV-LOGで撮影すると最低ISOが640になります。するとNDフィルターを付けていても結構F値を絞らないと、いくらフルフレームといえど日差しの強い日中は厳しかったりします。
バリアブルNDの上に単板のNDを付けるとかもっと濃度の高いNDを付ける等の方法はありますが、普段子供と一緒にお出かけして撮影する身としては手間が増えるのとあまり融通が効かない構成はしたくないので大体ND32程度を付けて出かける事が多いです。
たいしてGH6のDRBをオンしてV-log撮影すると最低ISOは2000になります(DRBを使用しない場合は250です)
こちらはISO2000なので当然NDを使用してもF値は絞ります。
両カメラとも絞った状態(撮影時の絞り値は同じではありませんが、被写体深度が合うように出来るだけしています)、いうならばフルフレームを使う上のメリットであるボケを多様しない撮影での画像の差を一度確認したかったのが今回比較をした大きな理由です。
比較結果でいうとフルフレームセンサーのS5ⅡとM4/3センサーのGH6ではGH6方がパキッとした解像感の画に感じました(語彙が無くてすみません。。。)S5Ⅱが悪いというわけでは無く、GH6に比べて柔らかい雰囲気の絵は人物撮影においてとても好印象です。
感想・まとめ
本当はNDフィルターも単板の同一の物で露出と被写体深度を合わせて撮影するのが正しい比較だと思うのですが、子供二人を見ながらカメラ2台使っての撮影で度々NDを交換するのは無理だと思い、今回の撮影方法にて比較しました。
ですのであまり正確な比較ではないかもしれません。それを踏まえた上での感想になりますが、あらためてGH6の良さが分かった比較だったなと思います。
ボケを多様した表現を否定するつもりは決してありませんし、私も静止画はボケを好んでよく使います。ただこと動画に関しては余りボケを使わない表現(私はそんな偉そうなものを撮ってませんが。。。)というか画像の方が最近は好みだったりします。
私が主に撮影する家族の日常においては背景がボケているより、パンフォーカスで背景の情報まで残っている方が都合が良いというのもあります。
絞ってパンフォーカスで撮影するというのは、もともとパンフォーカスに適している+DRBで最低isoが2000なので絞らなきゃならないGH6にまさに打ってつけですよね。
なんだかGH6を手に入れてからモヤモヤしていたものがスッキリ晴れたような気がします。
これまで3回にわたってサイドバイサイドでS5ⅡとGH6を比較してきましたが、今回でとりあえず最後にしたいと思います。また何か思った事、分かった事があったら記事にしたいと思います。それでは長々とありがとうございました。