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中年オヤジの趣味と備忘録ブログ 

【PRUSA MK4】Firmware 5.0.0 Input Shaper を試してみる

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先日リリースされたPURUSA MK4の新ファームウェア5.0.0ですが、念願の安定版Input Shaperを備えたということで早速試してみました。

 

Firmware5.0.0で追加されたInput Shaperとは何か?

Input Shaperとは機械の振動を制御する技術で理論自体は古くからあるようで(詳しくは調べきれていません)、技術の進歩で最近のコンシューマー向けの3Dプリンターにも搭載されるようになった機能です。

大まかな説明になりますが動作の説明としては、「機械が動く時に出てしまう振動・共振を測定して逆位相(振動と逆向きの動き)の動きをすることで振動・共振を打ち消す制御」の事です。ヘッドホン・イヤホンのノイズキャンセリング機能と似たようなものですね。

恩恵としては高速動作時の振動が減りゴーストやリンギング等の発生を抑制できます。最近は3Dプリンターの高速印刷がトレンドなのでピッタリの機能ですよね。

現在発売されているコンシューマー向け3DプリンターでもInput Shaperとは謳っていないですが、共振制御機能として似た機能が搭載されている機種もあります。

「Raspberry Pi」で3Dプリンターを制御する「Klipper」でもフルオートでは無いようですがInput Shaperの機能を使用することができます。

そういえば、PRUSAのInput ShaperはKlipperにインスピレーションを得たとJesef Prusa自身がこちらで書いていましたね。

 

新機能 Input Shaperを使って色々プリントしてみた

ファームウェアはここからダウンロードしてUSBメモリ経由でインストールします。

内容の詳細はgithubにあります。

※参考出典 github

これをみるとPressure Advanceも追加機能にありますね。Input Shaperの機能しか宣伝していなかったので気付なかったのですが、今回のファームで一緒に機能追加されたのかな。

無事にインストール完了、ちゃんとFirmwareが5.0.0になってますね。

 

3DBenchyをプリントして出来を見てみる

テストプリントと言えば3DBenchyですね、我が家にもこの船が数え切れないぐらい停泊しています。

子供達からは「またその船つくってんの?すきやな~」と小さな船好きのおっさんと勘違いされ始めていますが、気にせずプリントしていきます。

Input Shaperの適用の仕方はシステムプリセットからMK4 Input Shaperを選ぶだけです。

 

PrusaSlicerのプリンターの項目をMK4 Input Shaper0.4 nozzleに設定してスライスしてみると、予測プリント時間が40分とでました。

Input Shaper無しだと予測プリント時間は1時間なので、プリント時間が大幅に短縮されているのがわかりますね。

プリント結果は船主のオーバーハング部がほんの少し荒れている様に見えますが、底部や屋根や穴も綺麗にプリントされています。

白色がInput Shaper無し オレンジがInput Shaper有り

フィラメントの色が違うので比較しづらいですがInput Shaper無しと比べてリンギングが少ない様に見えます。

 

BonkersBenchyのデータをインポートしてプリントしてみる

Input Shaperを使用したPrusa MK4で、Benchyを12分でプリントするデータ「BonkersBenchy」というものがあるようなので、早速PrusaSlicerにインポートしてプリントしてみました。

ちなみにBonkersとは狂気の~という意味らしいです、40分かかるものが半分以下の12分ですから正しく狂気ですね。データのダウンロードはGithubからできます。

PrusaSlicerのファイルという項目からインポートを選び、設定のインポートをクリック

ダウンロードしたBonkersBenchyのデータを選んでインポート完了。

ほんとに予測プリント時間が12分になってますね。ほんとにプリントできるのかな?実際にプリントした結果がこちら。

一部に穴や欠けが有り少し荒いですがちゃんとプリントできてますね、裏面の文字もちゃんと読めるし穴部もそれなりに綺麗です。
ただ手に持った感じが凄く軽く、中身がスカスカな感じがします。

重量を測ってみるとInput Shaperを使用した通常のプリント物は11g、BonkersBenchyのデータでプリントした物は6gと約半分の質量になってます。

プリント中は笑ってしまうぐらい高速でMK4が動きます。プリンターの置き場がしっかりしていないと土台ごと揺れ動いてしまう程の速さです。

そう言えば土台の揺れってInput Shaperの計算に入っているのかな?

 

MK4IS Benchy27mのデータでプリント

ちなみに上記のGithubにあったMK4IS Benchy27mのデータでプリントした物がこちら。

全体的に実用的な品質だと思います、ちなみにこちらの質量は11gと特別軽くなってはいません。
ただ一か所小さな穴があったのですが、これは私のMK4の調整不足のような気がします。再度細かなところまで調整する必要がありそうです。

 

他のベンチプリントも印刷して品質を見てみる

Benchy以外のベンチプリントも試してみました。

左がInput Shaper有り 右が通常プリント

左がInput Shaper有り  右が通常プリント

左がInput Shaper有り  右が通常プリント

Input Shaper有り無しでの品質の差はパッと見は無いです。ノギスを用いての寸法測定もほぼ同じ精度で、5個のピン(クリアランス0.2~0.5)もどちらのプリントも問題なく抜けました。
ただオーバーハングとブリッジ部の品質がInput Shaper無しの方が若干綺麗にみえます。

写真はInput Shaperあり。若干ブリッジ部の垂れが多いような。。。

オーバーハング部も僅かにInput Shaper有りの方が荒くみえます。

続いてAll In One 3D Printer testもプリントしてみました。

こちらも全体的に問題無いのですが、なんか側面文字部のゴーストが多いような。。。以前にMK4を組み立てた時にプリントした物と見比べても明らかにゴーストが多かったです。なんで?

 

リンギングテストでゴースト・リンギングを比べてみる

そこでリンギングテストをプリントしてみました。

左通常プリント  右Input Shaper有り

左通常プリント  右Input Shaper有り

先程までと並びが逆になっていますが、比べてみるとやはりInput Shaper有りの方がゴーストは少ないですね。

うーんAll In One 3D Printer testではInput Shaper無しの方が綺麗に見えるのですがなんでだろう?また時間を見つけて再検証してみます。

 

感想・まとめ

今回は待望のPRUSA MK4でのInput Shaper機能を試してみました。

率直な感想としてスピードと品質を兼ね備えた素晴らしい機能・アップデートだと思います。一部まだはっきりとしない結果もありましたが、Input Shaperの恩恵と見られるゴースト・リンギングの減少効果も確認できたので、今後は積極的にInput Shaperを使っていきたいと思います。

ただ、最近はBambu Labのような勢いのあるメーカーの影に隠れがちのPRUSAですが、惜しむらくはこの機能をPRUSA MK4発売と同時に載せていたら、もうちょっと評価が違ったかなとPRUSAファンとして少し思いました。

次回はPRUSA MINIでのInput Shaper機能のテストをしてみたいと考えてます。

発売から数年経った機種に新しいFirmwareでの機能アップデートを実施してくれのはユーザーとして大変有り難いと感じますし、そういう所がPRUSAの素晴らしい所だと思います。

 

アルファ版ですが新Firmwareで機能追加!まだまだ使える3Dプリンターです。

お気に入りのPLAフィラメント。
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