今週の火曜日、正確には2027年6月18日にPENTAXからフィルムコンパクトカメラが発表されました。
いやーまさかこのご時世に日本のカメラメーカーからフィルムカメラの新製品がでるとは。今回の記事は驚きと興奮で早速予約してしまった話です。
PENTAX17とは
PENTAX17はペンタックスが2022年末頃からスタートした『Film Camera Project』という企画から誕生したフィルムカメラです。
詳しいスペックは既に実機レビュー等も出ていますので省きますが、ざっくりと説明すると
- ハーフサイズカメラ(一枚が35mmフィルムの1コマの半分)
- 焦点距離25mm(35mm換算37mm)F3.5の単焦点レンズ
- フォーカスはゾーンフォーカス
- フラッシュ内蔵
- 実売価格87,000円(税込)
公式のYOUTUBEでも詳しく説明されていますので参考にどうぞ。
そして発売から1週間経たずに予約殺到により注文の受付を一時停止のアナウンスがありました。
若い子が飛びつくような値段設定では無いと思うし(製品の値段は決して高くなく、むしろ新品のフィルムカメラとしたら頑張った値段だと思います)どんな方が予約したのでしょうか。
フィルムカメラに興味があったけど中々踏み出せなかった人達にヒットしたのか、私のように過去にフィルムカメラで撮ってたオジサマ達の琴線に触れたのか、実際に発売されてみないとわかりませんが、どうか最近よくある品薄からの高額転売にならないことを切に願います。
どうしてPENTAX 17を予約したのか
「何故かと問われると欲しかったからです!」と、これに尽きるのですが、もう少し詳しく予約購入までの思考を書いてみたいと思います。
実は最近気になる・欲しいなぁと思うカメラが幾つかありまして、購入直前までいっては買わない理由を考えてまた振り出しに戻ったりと、頭の中であーだこーだ考えていました。
以前にも書いたのですが、今の私の被写体は基本的に週末のお出かけや、家での子供達のちょっとした記録とブログ用の撮影です。
なので今の機材でもそこまで困ることは無く、こと家族の記録的な動画に関してはOSMO POCKET3とACTION4があるのでミラーレスに動画性能の向上を求めることは最近あまりありません。POCKET3とACTION4が苦手とする場面は手持ちのLUMIX S1とS5M2で完全に補えます。
静止画の性能も現状で困ることはあまり無く、あと1機種追加で購入するなら高画素機のS1Rの後継機かなぁと考えています。まぁ購入できる値段だったらの話ですが。。。
という感じで、ここまでがデジカメを追加購入しなかった理由です。そんな事を考えている最中にPENTAX17の発表。
ペンタックスの『Film Camera Project』自体は知っていたしハーフカメラになるとの噂もネットのリーク情報に出ていたので最初は「意外と早く製品化・発表までいけたなー」ぐらいしか思わなかったのですが、色々とレビューや記事を見ていると物欲が沸々と高まってきて、気がつけば公式サイトで予約していました。
いまフィルムカメラを選ぶ理由
デジカメ全盛期の今の世に新たにフィルムカメラを製造販売まで漕ぎ着けたペンタックスの苦労と努力は並々ならぬものだっと思いますが、いまフィルムカメラを選ぶ理由ってなんでしょうか。
実は私、偉そうな事を書いていますがフィルムカメラで撮り出したのはデジカメで写真を趣味にしだして随分経ってからなんです。
当時はCANONの5D2を使って主に花や虫のマクロ写真を撮っていたのですが、偶然見かけたオリンパスのOM1Nに一目惚れして購入したところ、その写りに惹かれてフィルム写真に嵌っていきました。
その後程度の良いOM-4Tiを手に入れ順調にフィルムライフを楽しんでいましたが、子供が誕生した事を理由に(何か買う理由が欲しかっただけですね)Hasselblad500CMを購入しブローニーフィルム(中版フィルム)の世界へ足を踏み入れました。
はじめての中版フィルム写真は今までの写真とは一線を画するもので、現像したポジフルムを見て感動したのを今でも覚えています。
見事に中判フィルムとハッセルブラッドの虜になってしまった私は、さらなる高み(というか底のない物欲、沼とも言いますね)と目指してHassleblad SWCを入手。こちらまた凄いカメラで中版フィルムカメラなのに内蔵ファインダーが無いという仕様に驚きましたが、それ以上にビオゴン38mmF4.5の写りに感嘆しました。
カラーでの撮影はハッセルにまかせて、OMでは主にモノクロフィルムを楽しんだりしてフィルムライフを堪能する毎日。週1でブローニーと35mm一本ずつは消費・現像に出していたので当時もう斜陽産業だったフィルム業界にそれなりに貢献していたと思います。
OMはレンズが小型で性能がとても良く撮影していて楽しいカメラでした。OM1Nはシャターフィーリングがとても良く、OM-4Tiは多機能でマルチスポット測光がユニークで両機種ともお気に入りでした。
もちろんフィルムカメラで日常を撮影している時期もデジカメは所有しており、このころはマイクロ・フォーサーズをメインで使用していてオリンパスを好んで使っていましたね。
星の撮影や虫のマクロ撮影、電磁弁を使用しての水滴の撮影(ブログアイコンの写真)なんかもマイクロ・フォーサーズで撮影して、今はなきGoogleのSNS等によく投稿していました。
家族との日常の撮影はフィルムで、ちょっと特殊な撮影や枚数が必要なものはデジタルでと、ある程度棲み分けができていたのですが現在所有しているフィルムカメラは・・・・0です。
デジタルに完全移行する直前はフィルムとデジタルでの撮影の割合が8:2ぐらいだったのですが、このころになると段々とフィルムに正確さと言うか解像感のようなものを求め出していました。
いま思うとナンセンスですね。そういった類のものはデジタルに求めていくべきもので当時もう下火になっていたフィルムに求める事では無いのに、当時頭の硬い馬鹿な私は色々と考えた末にフィルムカメラを全て売却してデジタルに完全移行していきました。
せめて500CM/CF80mmF2.8*とOM-4Ti/50mmF2MACROは手元に置いておけば良かったと後悔しております。。。
今回PENTAX17を予約してみてもう一度中版フィルムでも撮ってみたい気持ちもあるのですが、いかんせん私が撮影していた時期と比べてフィルムも程度の良い中古フィルムカメラも値上がりしていて驚いております。
そこのところPENTAX17は保証の効く新品で実売87,000円ときて、しかもハーフカメラなので35mm版の2倍撮れてお財布に優しいですね。
デジタルに完全移行してからしばらく立ちますが、過去のフィルム写真を見返していると自分の中で思う事があるのですが、「フィルム写真とデジタル写真は比べたり優劣を付けるものでは無くて共存していくものだよね」と言う事です。
フィルム写真にデジタル写真の緻密さを求めるのはナンセンスだし、デジタル写真をフィルム写真の様に調整・現像するなら最初からフィルムで撮ればええやんかと。動画に関しては流石にフィルム撮影は難しいとは思いますが。。。
そういった意味ではデジタル主流の現在でもフィルムカメラを選ぶ理由があるのではと私は思います。なんせRAW現像等で難しい事しなくてもはじめからフィルムっぽいというかフィルム写真ですからね。
感想・まとめ
今回はPENTAX17を予約した経緯と私のフィルムカメラ時代の昔話を少し書いてみました。
今回の話はあくまで私の撮影スタイルと被写体を前提としての話ですが、撮影体験含めてフィルムでしか撮れない物というのはあると思いますし、デジタルでしか撮れないものがあるのも確かだと思います。
今回のPENTAX17を機にフィルムカメラがもう一度日の目を見て、フィルム需要が増え全盛期までとはいかなくても、今よりフィルムカメラが楽しみ易い環境になればなぁと願っています。
あと私の中のハーフカメラはPEN F(O/H済みを所有していたのにこれも手放してしまった。。)で止まっているので、現代の技術で作ったハーフサイズカメラがどういった写りをするのかも非常に楽しみです。
今は品薄ですが再販されるまで焦らずに待ちましょう。