3月末に突然の発表でGRユーザーを驚かせた特別モデル「GRⅢ HDF」&「GRⅢx HDF」ですが、この週末に私の手元にも届いたのでお出かけがてら色々と撮ってきました。
GRⅢx HDFについてはこちらもご参考ください
GRⅢxとの外見の違い
まずGRⅢxとの外見の違いですが殆んどありません。
上の写真は「GRⅢx」と「GRⅢx HDF」を並べて撮っていますが、見ての通り正面からはまず見分けはつきません。
外観の大きな違いとしてはシャターボタンの色が少し違います。HDFは少しグレーです。
あと1つ違う所は背面Fnボタンの上に「HDF」とプリントされています。初期状態ではこのボタンにHDFフィルターのON/OFFが割り当てられています。私は今までこのFnボタンはAFに割り当てていたのでどうするか思案中です。
ご覧のとおりGRⅢxとGRⅢx HDFの外見上の違いは殆んど無く、知らない人がみてもまず見分けがつかないと思います。
ということは奥様に内緒で購入してもゴニョゴニョ。。。。。
現状「GRⅢ HDF」「GRⅢx HDF」共に品切れ中ですが次回受注開始時期もアナウンスされているので欲しい人は一先ず安心ですね。
GR officialより転載
問題は通常版のGRⅢとGRⅢxで、こちらはまだ受注停止したままでHDFバージョンが落ち着いてからの生産開始&受注開始なのかそれともこのままディスコンになるのか。
そろそろGRIVが出ても良さそうな時期なので気になる所です。
HDF (Highlight Diffusion Filter)の写りを試してみる
外見上の違いは殆んど無いHDFバージョンですが、名前にある通りNDフィルターの代わりに「HDF(Highlight Diffusion Filter)」が搭載されています。
RICOHが自社のインクジェットプリンティング技術を用いた独自のフィルターという事でその効果の程が気になるところですが、同じくハイライトの部分を拡散させる似た効果のフィルターとしてブラックミストフィルターという物があります。
- HDF ON
- HDF OFF
- ブラックミストフィルター
と撮り比べてみました。なるべく同じ構図で撮るようにしましたが、全て手持ちで設定を都度変えて撮っていますので微妙な構図の違いはご容赦ください。
撮影設定はMモードで露出を合わせてイメージコントロールはスタンダードで撮影し撮って出しJpegを1080×720にリサイズのみしています。
ブラックミストフィルターは手持ちでレンズ先端に付けて撮影しています。
HDFのON/OFFの違い見てみる
まずはHDFの効果程を見るため自室からの試し撮り
そもそもピントの怪しい写真ですが、なるほど確かにハイライト部周辺が滲んでいますね。
HDF ONの写真は本来のGRの写りから角を撮って丸くした印象を受けます。こういったハイライト部を強調していない通常の撮影でも違いが分かる程度の効果は有るようです。
桜の花と青空に手前の木々の緑と岩肌に掛かる影と通常なら若干空が飛びがちになりそうなシチュエーションですが、HDFの効果か良い感じにまとまって見えます。
まぁもともとコンデジとは思えない程のGRⅢのダイナミックレンジの広さがあってこそですが。
ブラックミストフィルターとの違いを見てみる 日中撮影編
続いてはブラックミストフィルターとの違いをみていきます。個人的にはブラックミストフィルターNo.5と同じ位の効果の程と予測しているのですが結果はどうでしょうか。
日中のこういったシチュエーションではHDFとブラックミストフィルターとの違いはそこまでわからないですが、若干HDFの方が画がシルキーに感じるような。
効果の違いが分かるように等倍で拡大したもので比較してみます。画面中央すこし左の大きな屋根の部分を拡大してみます。
画面左下の赤いポールの部分を見るとHDFの写真が一枚ベールに包まれたようになっていますね。
同じく効果が分かるように等倍に拡大して見てみます、今度は画面中央右の窓の部分です。
やはりHDF ONの写真がブラックミストフィルターNo.5に比べてハイライト部周辺がより滲んで見えます。このあたりがHDF ONの写真がシルキーに感じる原因なのかな。
ブラックミストフィルターとの違いを見てみる 夜間撮影編
続いては夜間でのブラックミストフィルターとの違いを比べてみます。
これは思ってたより効果に違いがありました、画面中央を等倍で拡大してみます。
HDF ONの写真は点源が分からない程にハイライト部が大きく拡散しています。変わってブラックミストフィルターNo.5はハイライト部の周りがぼんやり滲んでいる程度でシネマティックと感じるのはこちらでしょうか。
夜間撮影に関しては拡散が大きいのでアクセントとしては有りですが、ブラックミストフィルターのようなシネマティックな効果を期待しているとちょっと肩透かしを食らうかもしれませんね。
GRⅢx HDF 作例
GRⅢx HDFで撮影した作例です、日中でも場面によってはHDFの効果がよくわかります。この柔らかい感じが好きか嫌いかでHDFが必要かどうか変わってくると思います。
感想・まとめ
今回は発売されたばかりのGRⅢの特別モデル『GRⅢx HDF』を使ってみて分かった事、感じた事を書いてみました。
当初思っていたよりもHDFの効果が高く、特に夜間の撮影に関しては好き嫌いが出そうな感じですね。ON/OFFができるので被写体によってアクセントとして使うには有りだと思います。
日中に関してはGRの良さでもあるキッチリと写るシャープな感じが和らいで個人的にはよい塩梅だと思いますが、GRらしい写りを期待している人にはあまり刺さらないかもしれませんね。
写真は上げていませんが家族や子供を撮るような場合は予想していたより良い仕上がりに撮れるので私的にはHDFは有りだなと感じました。モノクロでの撮影でもHDFの効果は面白いんじゃないかなと思います。
最後にHDF搭載によりNDフィルターが非搭載になっていますが、今回の撮影でNDが無くて困った事は有りませんでした。
数日撮影した結果、ピーカン屋外での絞り開放ではシャッタースピードが足らない事が数回ありました。絞り開放F2.8では1/2500に制限されるため、晴天時屋外での開放撮影ではシャッタースピードが足らない事が考えられます。対処法としては少し絞るかアダプターを介してNDを装着するかですね。
日中に長秒露光による動きのある写真をGRⅢ単体で撮影したい人はND搭載のGRⅢが良いのかなとも思います。