
年始の記事でも少し触れましたが年末に新しいレンズを購入しました。今回はその新しく購入したレンズ『LUMIX S18-40F4.5-6.3』を使ってみた感想等を実写を交えて書いていこうと思います。
コンパクトズームレンズ LUMIX S18-40 F4.5-6.3

あらためて今回購入したレンズはこちら、LUMIXの新型コンパクトズームレンズ『S18-40F4.5-6.3』になります。
この記事を書いている2025年1/13日現在においてAF対応フルサイズズームレンズとしては世界最小・最軽量の超広角~準標準域までをカバーするズームレンズになります。
Panasonicの公式HPでは「~標準まで」と謳っていますが、私的には標準は50mmなので当ブログでは準標準としました。
レンズ外観とスペックを確認する

箱から出してまず思ったのは「これほんとにフルサイズ用のズームレンズなの?」です。似たようなファーストインプレッションを『S100F2.8Macro』の時にも感じましたが、今回はあの時以上にインパクトがある大きさです。

フロントキャップとリアキャップと付けても181gと超軽量。これで18mm~40mmをカバーするズームレンズだっていうんだから本当に驚きです。
スペックをおさらいすると
| レンズ構成 | 7群8枚(非球面レンズ3枚・EDレンズ2枚・UHRレンズ1枚 | 
|---|---|
| 焦点距離 | 18-40mm | 
| 画角 | 100°~57° | 
| 開放絞り | F4.5-6.3 | 
| 最小絞り | F22-F32 | 
| 絞り形式 | 7枚羽根/円形虹彩絞り | 
| 最短撮影距離 | 0.15m(W端~焦点距離21mm)/0.35m(T端)撮像面から | 
| 最大撮影倍率 | 0.28倍(焦点距離21mm時) | 
| フィルター径 | 62mm | 
| 最大径×長さ | 67.9mm×40.9mm(鏡筒収納時) | 
| 質量 | 約155g(フロント・リアキャップ含まず) | 
| 防塵防滴 | ◯ | 
| フッ素コーティング | ◯ | 
| 動作環境 | -10℃~40℃ | 
となっており、小さなボディながらも防塵防滴・フッ素コーティングと動作環境の耐候性が高いのも嬉しいですね。絞り羽が7枚と他のSレンズと比べて少し少ないですが、円形虹彩絞りになっています。


レンズ本体はAF/MFスイッチとズームリング・ピントリングのみとシンプルな構成なので操作に迷う事はないです。筐体のコンパクトさ故にピントリングを操作時にズームリングに指が当たってしまうのは致し方無い所ですね。

他のSレンズと同じくレンズリア側はしっかりとシーリングされている構造になっていて、迷光対策用にテレビ枠が設けられています。MADE IN Chinaと記載されているので今まで通り中国工場生産ですね。


そしてこのレンズの1番の特徴は沈胴式のレンズであること。
ズームリングを白○の所まで回すと収納状態になって仕様上の1番短いサイズになります。そして18mmの所まで右に回すと撮影ができる状態になります。
ちなみに収納状態でカメラの電源をいれると「ズームリングを回しレンズを繰り出してください」とのエラーメッセージが表示されます。
このレンズ、発表時期はコンパクトフルサイズカメラの『S9』と同時であり、LUMIXは本当は『S9』の同時発売を目論んでいたのだと思いますが、どういった理由があったのか『S9』より4ヶ月程遅れての発売となりました。
サイズ的に見ても分かるようにこのレンズが1番似合うのは『S9』だと思うのですが、色々悩んだ末に私は『S9』購入を見送りましたので『S5Ⅱ』でのレビューになります。
S5Ⅱに『S18-40 F4.5-6.3』を付けてみる

という事で『S5Ⅱ』にレンズを取り付けた見た目はこんな感じです。


想像してたより悪くないですね、むしろファインダー付き・機能てんこ盛りのフルサイズで18mm~40mmをカバーできる機種の大きさと考えれば非常にコンパクトで良いと思います。


ただ何度も言いますが沈胴式なので撮影時には少し伸びます。この沈胴式のレンズを伸ばすという一手間と、伸びた時の見た目をどう受け入れるかによって好みが分かれそうな気がします。
沈胴式と言えば以前4/3のカメラをメインで使っていた時期にOlympus(OM SYSTEM)の『M.ZUIKO DIGITAL ED9-18mm F4.0-5.6』を所有していました。

改めてスペックを見比べてみると
| LUMIX S18-40 F4.5-6.3 | M.ZUIKO ED9-19 F4.0-5.6 | |
|---|---|---|
| レンズ構成 | 7群8枚 | 8群12枚 | 
| 焦点距離 | 18-40mm | 18-36mm(35mm換算) | 
| 開放絞り | F4.5-6.3 | F4-F5.6 | 
| 最小絞り | F22-F32 | F22 | 
| 絞り形式 | 7枚羽根/円形虹彩絞り | 7枚羽根 | 
| 最短撮影距離 | 0.15m | 0.25m | 
| 最大撮影倍率 | 0.28倍 | 0.20倍(35mm換算) | 
| フィルター径 | 62mm | 52mm | 
| 最大径×長さ | 67.9mm×40.9mm | 56mm×49.3mm | 
| 質量 | 約155g | 154g | 
| 防塵防滴 | ◯ | ☓ | 
| フッ素コーティング | ◯ | ☓ | 
| 動作環境 | -10℃~40℃ | ? | 
となり、驚くことにフルサイズ用のレンズである『S18-40F4.5-6.3』の方が最大径こそ10mm程大きいですが、ズームレンジ・撮影倍率・長さの面に於いて勝っています。
そして尚且つ防塵・防滴・フッ素コーティングまで付いているのを見ると技術の進歩というのは凄いですね。
LUMIX S20-60mm F3.5-5.6との比較
同じくLUMIXのズームレンズで広角~標準域まで撮れてコンパクトなレンズと言えば『LUMIX S20-60mm F3.5-5.6』がありますね。
こちらは発売から4年程経ちますが、発売当初は標準ズームレンズは「24mm~」という常識を打ち破って「20mm~」スタートという攻めた仕様に「おおぉ!」と感嘆したのを覚えています。
いまでこそ各社がワイドスタートの標準ズームレンズを発売していますが、その火付け役といっても過言ではないと思います。

という事でまずは外観を見比べてみるとやっぱり『S18-40F4.5-6.3』の小ささが良く分かりますね。ただ『S18-40F4.5-6.3』を撮影可能状態まで伸ばすと。。。。

差はグッと縮まります。まだ『S18-40F4.5-6.3』の方がコンパクトに見えますが実際にカメラに取り付けるとそこまでの差は無く、各リングの操作性は『LUMIX S20-60mm F3.5-5.6』の方が良好です。
次にスペックを見比べ見ましょう
| LUMIX S18-40 F4.5-6.3 | LUMIX S20-60 F3.5-5.6 | |
|---|---|---|
| レンズ構成 | 7群8枚 | 9群11枚 | 
| 焦点距離 | 18-40mm | 20-60mm | 
| 開放絞り | F4.5-6.3 | F3.5-5.6 | 
| 最小絞り | F22-F32 | F22 | 
| 絞り形式 | 7枚羽根/円形虹彩絞り | 9枚羽根/円形虹彩絞り | 
| 最短撮影距離 | 0.15m | 0.15m | 
| 最大撮影倍率 | 0.28倍 | 0.43倍 | 
| フィルター径 | 62mm | 67mm | 
| 最大径×長さ | 67.9mm×40.9mm | 77.4mm×87.2mm | 
| 質量 | 約155g | 350g | 
| 防塵防滴 | ◯ | ◯ | 
| フッ素コーティング | ◯ | ☓ | 
| 動作環境 | -10℃~40℃ | -10℃~40℃ | 
さすがに『LUMIX S20-60mm F3.5-5.6』は長さ・質量共に一回り以上大きいですね。
『LUMIX S20-60mm F3.5-5.6』のアドバンテージとしては開放絞りが2/3段程明るくて望遠域に20mm長く、撮影倍率が0.43倍であることでしょうか。
実写で比べてみる
次に実写で見比べてみます。共通するズーム域である広角側18mmと望遠側40mmの比較になります。
20mmでの比較 『S18-40F4.5-6.3』
まずは『S18-40F4.5-6.3』の焦点距離20mm 絞り開放F4.6の画像です。

もう少し良い撮影対象があっただろと突っ込まれそうですが、電車好きの子供と散歩がてら撮ったのでご了承ください。

中央

右隅

右端
続いて同じく『S18-40F4.5-6.3』の焦点距離20mmF8の画像です。

中央

右端

右隅
感想としては中央と端、隅共にF4.6と絞ったF8の違いが殆ど無いですね。わずかにコントラストが上がっているようにも見えますがこれなら遠景は絞り開放から積極的に使っていけそうですね。
センターの画像に少しフレアが出てしまっているのが気になりますね。ちなみに『S18-40F4.5-6.3』にはフードが付属していません。
20mmでの比較 『LUMIX S20-60 F3.5-5.6』
続いて『LUMIX S20-60mm F3.5-5.6』の20mmでの画像です。

中央

右端

右隅
続いて同じく『LUMIX S20-60mm F3.5-5.6』のF8の画像です。

中央

右端

右隅
端と隅はF8まで絞るとシャープさが増しているように見えます。
サイドバイサイドで比較してみる



こうして見ると中央はそこまででも無いですが端・隅とも『LUMIX S20-60mm F3.5-5.6』の方がシャープに映っているように見えます。やはり大きさなりの差があるということかな。
あと隅のビルの部分の色が両レンズで結構違いますね。どちらかというと『LUMIX S20-60mm F3.5-5.6』の方が実際の色に近いかな。
40mmでの比較 『S18-40F4.5-6.3』
続いて40mmでの比較になります。中央部分の大部分が日陰で比較対象としては好ましくないですが見ていきましょう。

『S18-40F4.5-6.3』の40mmは開放絞りがF7.1となるので切り良くF8まで絞った画になります。

中央

右端

上隅あたり
後で気付いたのですが40mmでは隅に空しか映っていなく、ちゃんとした隅の画像では無いです。
40mmでの比較 『LUMIX S20-60 F3.5-5.6』
続いて『LUMIX S20-60mm F3.5-5.6』での40mmの画像です。

中央

右端

上隅あたり
サイドバイサイドで比較してみる


先程の20mmでの比較程では無いですが『LUMIX S20-60mm F3.5-5.6』の方が若干シャープかなぁという印象です。でも等倍で見比べ無いと分からないぐらいの差だと思います。
撮り比べた感想
今回は極々限られたシチュエーションでの比較だったので何ともいえませんが、撮り比べたレンジでは『LUMIX S20-60mm F3.5-5.6』の方が僅差で解像感が上に感じました。
ただ交換レンズの評価は解像だけではなくて、ズームレンジ・最短撮影距離・撮影倍率・取り回し等を総合的に見てですので、どちらのレンズが良い悪いという事では無いと考えています。
ちなみに『S18-40F4.5-6.3』のワイド端の18mmで撮った画がこちら

そして『LUMIX S20-60mm F3.5-5.6』のテレ端で撮った写真がこちら

撮れる範囲がこれだけ違うともはや比べるものでは無いかもしれませんね。自分が必要な画角で撮れるレンズを選びましょう。
おまけで絞ったときの光条の違いをみてみます。

絞り羽根が7枚の『S18-40F4.5-6.3』は14角の光条がでます。先があまりシャープな光条ではないですね。

絞り羽根が9枚の『LUMIX S20-60 F3.5-5.6』は18角の光条がでます。『S18-40F4.5-6.3』に比べたら先がシャープですが、個人的にLUMIXのレンズの光条はあまり格好良くないかなと思ってます。
実写サンプル
レンズを手に入れたのが年の瀬30日だったので、初日の出の撮影に持ち出したりと色々と撮ってきたので載せていきます。


釣人の方は正月だろうが潮が良ければ釣りをするもんですよね。初日の出も拝めて一石二鳥、もちろん釣れていればの話ですが。。。。


今年も無事に初日の出を拝めました。ちょうど神戸空港から発った飛行機がいたのでパシャリ。

最近はスマートフォンの露出制御というかHDRの処理が優秀なので一眼を持って初日の出を見に来ている人をあまり見かけません。この日も大きなカメラ構えているのは私だけだったような、まぁ場所もマイナーですからね。
ブラックミストプロテクターを付けてみる
ここから先のサンプル画像は全てブラックミストプロテクターを装着して撮影したものになります。



何故ブラックミストプロテクターを購入したかというと、私がよく参考にさせて頂いている「Richard Wong」さんがミスト系を付けてこのレンズで撮っているのをみて試してみたくなったというミーハーは理由です。。。
ブラックミストプロテクターはKenkoから発売されているミスト系フィルターで、同社の「ブラックミストNo.1」の1/4相当、同じく同社の「ブラックミストNo.5」の1/2相当の効果が得られて尚且つ撥水・撥油コートとフレア・ゴーストを抑えるマルチコートまで付いているので付けっぱなしのプロテクトフィルターとしても重宝しそうです。

ということで薄型でケラレも無さそうだし、フードの付属していない『S18-40F4.5-6.3』に丁度良いかなと思って購入してみました。

関西のローカル線の中で私が1番好きなの景色は山陽電車「塩屋~滝の茶屋」当たりの風景です。少し高台を走る電車のその先に淡路島と明石海峡大橋が見えてきて、電車で通る度わくわくします。


今年は家族が年末から順番に体調不良になって「柳原のえべっさん」に行けなかったのが残念。


光の角度によってはゴーストがでるのも嫌いではないです。


24mmより広い広角って苦手なんですが撮るのは楽しいですよね。撮れ高は。。。。。ほぼボツですね。


18~40mmというズームレンジも日常を撮るのに心地よい画角だと思います。



見返して気づいたのですが広角側は20mmで撮影していることが多かったです。デフォルメしすぎない広角だと20mmぐらいが丁度良いのかな。
となると『LUMIX S20-60mm F3.5-5.6』って良い所をついてきているのかも知れませんね。


海岸の近くにすんでいる特権は「今日は夕焼けが綺麗だ!」とすぐにカメラをもって撮りに行けることですね、家族には冷たい顔をされますが。
65:24で撮ってみた
超広角レンズを手に入れたら一度はやってみたかったパノラマアスペクトの65:24での撮影。
意外とカメラ機能でこのアスペクトに設定できるメーカーって少ないようで、『FUJIFILM』と『LUMIX』しかないんじゃないかな。あ、『Hasselblad』も出来たかな。

もちろん後で画像編集ソフトを使えばどのカメラでもできるのですが、リアルタイムにファインダーや背面画面に65:24のアスペクトが出てくるのでは撮影体験的には雲泥の差です。




うん、これは中々楽しいかも。また色々なレンズでも試して見たくなりました。
感想・まとめ
今回は新しく購入したレンズ『LUMIX S18-40F4.5-6.3』をレビューしてみました。
最短付近の撮影や手ぶれ補正との相性などは今回検証できなかったので、また時間ができれば追記したいと思います。
さてズームレンズばかり増えていく我が家のLマウントですが当分はこの『LUMIX S18-40F4.5-6.3』を使っていこうかなと考えています。

なんだかんだ言っても持ち運びのしやすいサイズって便利なんですよね。このサイズなら長男の趣味の「廃線巡り」のメモ代わり撮影が捗りそうです。