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中年オヤジの趣味と備忘録ブログ 

PRUSA MK4のエンクロージャーを考える ※2/4更新

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2023年の6月頃に手にして以来、筆者が愛用中のPRUSA MK4。大きなトラブルもなく順調に色々な物をプリントしてくれているのですが、オープン型のベッドスリンガープリンターという事で逃れようの無い弱点があります。

それが、外気の温度管理が必要なフィラメントのプリントとプリント時に出る匂いの問題です。

そしてその2つの問題を解決してくれる魔法の箱が『エンクロージャー』です。今回はPRUSA MK4のエンクロージャーについて考えていきたいと思います。

PRUSA MK4についてはこちらもご参考ください

 

 

オープン型の3Dプリンターに何故エンクロージャーが必要なのか?

先程も書きましたがオープン型の3Dプリンターは外気の温度管理が必要なフィラメントのプリントとプリント時に出る匂いの問題という弱点があります。

外気の温度管理が必要な理由

まず温度管理の問題ですが、PLA・PETG等の比較的よく使われているフィラメントに関しては何も問題なくその部屋の外気のままプリントすることができます。

一方でABSやPC(ポリカーボネート)・ナイロン等はプリント中に収縮(外気にさらされ一気に冷やされる為)による反りやベッド剥がれ・クラック等の欠陥やトラブルが起きて上手くプリント出来ない事が多いです。なのでプリントしている雰囲気の温度を一定に保ってあげる必要ができます。

プリント時の匂いの問題

FDM方式の3Dプリンターを使用しているとフィラメントの種類によってプリント中は色々な匂いがします。PLAフィラメントは甘い匂いがしたり、ABSフィラメントでは刺激臭がします。

匂いがすると言うことは何かしらの物質が出でていると言う事なのですが、その物質が色々と問題があったりします。


www.youtube.com

上の動画ではFDM方式の3Dプリンターが出すVOC(揮発性有機化合物)の詳しい話をしてくれいます。VOCはもちろん有害であり、比較的安全と言われていたPLAも有害物質が出ない訳では無いと最近の調べではわかっているそうです。

対策としてはまずは換気がいい場所での使用とプリント時に発生するVOCをフィルターで除去してから排出する等があります。

最近はHEPAフィルターを使用している機種をよく見ますが一般的なHEPAフィルターの除去できる大きさはは0.3μmまでであり、3Dプリンターから放出される粒子は0.1umとされているので効果が無いとの報告もあるようです。

という事でオープン型の3Dプリンターを使用する場合はPLA等の素材であってもできるだけ放出する匂いを体内に取り込みたくないです。

換気という観点では上の動画も中々面白い内容で、実際は私達が住んでいる環境に寄っては日常の空気の質がそこまでよろしく無いという事も取り上げれらています。だとしてもプリント時にでるVOCを野放しにはできないので換気することは必要であり、動画ではさらに空気清浄機も併用したほうが良いとしています。

 

エンクロージャーとは?

ここで登場するのが『エンクロージャー』で、英語で「Enclosure」となり簡単に言えば囲い・外装です。色々な素材はあれど3Dプリンターを囲んで上記の問題を解決しようという物になります。

※匂い・VOCの除去については万事大丈夫とは難しいので、できるだけ換気の良い場所で使用しプリント中は同じ部屋に居ない等も対策として大事だと思います。特に小さなお子様がいるお家では気をつけるべき問題だなと当事者して思います。

最近流行りのCORE XYタイプの3DプリンターはBOX型が多いので上記の問題を気にしなくてもよい機種が多いですね。羨ましいCORE XY。。。。。

 

PRUSA MK4に使えるエンクロージャー

前置きが長くなりましたがここからPRUSA MK4に使用できるエンクロージャーについて考えていきます。

Original Prusa Enclosure

まずはPRUSAが純正品として用意してくれているOriginal Prusa Enclosureです。

金属製のパネルとPETGのパネルを使用していて堅牢な作りです。純正らしくPSUを外付けできたり液晶操作パネルも外付けできます。

HEPAフィルター・LEDライト・消化システム(日本には輸入不可)もオプションでつける事ができ至れり尽くせりです。あとなんと言っても格好良いです。もうこれでいいじゃない感がありますが、お値段が高いです。

本体が$349となっており上記オプションを付けると$500を軽く超えてきます。送料を合わせるとMK4本体が買えるんじゃない?となるので中々辛いです。

ただし今からMK4を購入予定のかたならMK4とエンクロージャーがセットになったバンドル品があるのでこちらはお買い得かと思います。

私も購入時にこのセットがあったら購入していたと思います。

 

IKEA Lack Enclosure

お次はIKEAのラックを改造してエンクロージャーを自作するという3Dプリンター界隈では比較的有名なものです。

沢山の方が自作されているのでIEKA Lack Enclosureで検索すると色々情報がでてきます。Printableでもデータがあるので色々参考になると思います。

安く出来て物もしっかりして良いのですが、私の2畳の部屋には大きすぎる。。。

 

DELACK 3DPrinter Enclosure

続いてはアメリカのDELACKという企業が販売しているエンクロージャーです。上記のIKEAラックのキットの販売を期にオリジナルのエンクロージャーを開発・販売している企業のようですが中々に機能性も良さそう&お値段も手頃です。

樹脂パーツはデータをもらって自分でプリントするようですが、それ以外の必要な部品は全て揃っていてなんとお値段$119.99です。

もちろんオプションでHEPAフィルター等も付けることが可能で、「もうこれにする!」て興奮して日本に配送できるかメールで問い合わせたら

「日本は無理なの、ごめんよー」

と返信がありました、うーん残念。

 

TUKKARI

続いてはTUKKARIというヨーロッパの企業なのですが、PRUSAと同じチェコ共和国の企業で3Dプリンターのエンクロージャーの製造は10年近く行なっているようです。

外見はシンプルなデザインで格好良いですね、機能面も活性炭フィルター・HEPAフィルターが標準装備で電源コードの取り回し用の穴や通気孔などもあり、PRUSA i3シリーズ用に作られているので使い勝手もよさそうです。お値段は€239とちょっとお高めですが純正よりはリーズナブルですね。

サイト内の発送可能な国の欄に日本が無かったのでこちらもメールにて問い合わせしてみました。

「サイトにも書いてあるけど、日本は無理なのよー」

っとお断りされたので、ならば輸入代行社はどうだってことで見積もりを投げて見たところ、上がってきたのがこちらです。

じゅうろくまんななせん。。。。

はい、Original Prusa Enclosure買えますね。

 

簡易エンクロージャーにMK4を入れてみた

取り敢えずですが以前PRUSA MINIで使用していた手持ちのエンクロージャーにMK4を入れて見ることにしました。

ちなみに私の部屋は2畳しか無く3Dプリンターとの距離が非常に近いので、剥き出しでプリントしていると部屋の雰囲気がまずいことになって気分が悪くなってきます。。。

この距離でプリンターが動いていると体に悪そうですよね

ということで人的被害が出る前にMK4をエンクロージャーににいれてみます。匂いだけでは無くて音(隣が寝室なので)も気になるのでそこも改善されるのを期待です。

使用するのはこちら

エンクロージャーというか保護カバーみたいな感じですね、私の物はメーカーが違いますが殆ど同じものかと。

内部がアルミ製になっていて難燃性も期待できそうです。

フレームはこんな感じです。ジョイントに刺すだけなので簡単に組み上がります。

フレームを外装の中に入れたら完成!簡単ですね。内寸は500×600×700なので大型の3Dプリンターでも入りそうですね。側面に電源コード用の穴があったりサイドにポケットがあったりと色々を考えられています。

置き場所ですがカメラ用の防湿庫の上に置くことにしました。この防湿庫も結構古くて本当は机の高さに合わせて新調したいのですが、まだ動くので優先度は低めです。

このまま奥には面積が足らないので振動対策もかねてゴム板を敷きます。

ちょうど厚み5mmのゴム板が余っていたので採寸して防湿庫の天面に敷きます。

お次は面積確保のために合板を設置します。今回用意したのはカラー化粧棚板の厚み15mmの板をカットしてもらった物です。

こちらのサイトが安くて早くて便利です。

何を血迷ったのかカラーをアンティークホワイトウッドにしてしまいました。普通にホワイトにしとけば良かった。。。

気を取り直して作業の続きを、防湿庫天面に棚板を置いてみました。寸法的にはジャストですが圧迫感が結構あるな。

エンクロージャーを設置したらこんな感じです。当初は棚板を壁と固定する予定だったのですが、エンクロージャーも仮の予定なので当面は板を固定せずに使ってみることにします。

MK4をエンクロージャーに入れてみました。エンクロージャーのサイズ的には余裕があるので内部での作業は比較的し易いです。
導入のきっかけとなったプリント中の匂い対策としての効果ですが、これは期待以上の効果がありました。

プリント中はエンクロージャー全面のジッパーを全閉していると、ほぼ匂いは漏れきません。匂いがしないと言うことは有害はガスも漏れていないと思います。

エンクロージャーの内部の温度ですがプリント開始時が20℃弱でプリント中は36℃位をキープしていました。なのでチャンバーとしての役割は若干弱いかもしれませんね。

あと防音効果ですが、こちらはあまり効果が見込めない感じです。全閉することによって若干の静音化はしていますが、防音とは言えないレベルだと思います。

MK4では無いですが上の部屋の写真でモニターの裏に隠れているのはPRUSA MINIで、ちらっと写っていますが簡易のエンクロージャーに入れています。

PRUSA MINI用のエンクロージャーって中々無いのでまたブログで紹介してたいと思っています。

 

感想・まとめ

取り敢えず簡易的にMK4をエンクロージャーに入れてみました。暫くはこれで運用してみて、今年のブラックフライデーセールの送料無料キャンペーンでOriginal Prusa Enclosureを購入しようかなと目論んでおります。

使えない情報ばかりで申し訳ないですが、現在も色々と物色中なのでまた随時更新していくつもりです。また良ければ見てやってください。

 

こういうのもシンプルですが良さそうですね。

筆者愛用中の3Dプリンターです。
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